ERC8183、サークルの「Arc」テストネットで稼働。AIエージェントのジョブ実行をオンチェーン化

ERC-8183がArcテストネット上で稼働

AIエージェント同士の商取引を想定したイーサリアム改善提案(Ethereum Improvement Proposal:EIP)のドラフト「ERC-8183(Agentic Commerce)」のリファレンス実装が、サークル(Circle Internet Group)のレイヤー1ブロックチェーン「アーク(Arc)」のテストネット上で利用可能になった。4月1日にアーク公式Xアカウントで発表された。

ERC-8183は、AIエージェント間の取引を「ジョブ(Job)」という単位で管理し、作業の依頼から成果物ハッシュや参照情報の提出、報酬の支払いまでをオンチェーンで実行するための仕様だ。スマートコントラクトによるエスクロー機能を備え、作業完了時には報酬が支払われ、拒否や期限切れの場合は返金される仕組みとなっている。

今回の稼働により、エージェント間の作業フローを定義するERC-8183と、決済インフラを提供するアークが接続された形となる。投稿では、ERC-8183がエージェント同士の作業の進め方を定義するのに対し、アークはその中での価値移転を担うインフラとして位置付けられている。

アークは、米ドル建てステーブルコイン「USDC」をガストークンとして利用するほか、ユーロ建てステーブルコイン「EURC」などを用いたグローバルな価格設定や決済、クロス通貨取引に対応する為替(FX)機能を備えるとされる。これにより、エージェント間の取引における摩擦低減を図るとしている。

AIエージェントによる経済活動をめぐっては、サービス提供主体としてのエージェントの活用が進む中、信頼関係に依存しない取引インフラの必要性が指摘されている。ERC-8183はそのためのコマース仕様として提案されており、今回のアーク上での稼働は、作業フローと決済基盤の統合に向けた動きの一例とみられる。

なおサークルは3月14日、AIエージェント向けの開発支援ツール「サークルスキルズ(Circle Skills)」の公開も明らかにしている。同ツールは、USDCやEURCを活用した決済やクロスチェーン送金、ウォレット操作などの実装に関する指針を提供するもので、エージェント型開発ツールとの連携も想定されている。今回の取り組みとあわせ、AIエージェントによる経済活動に向けた開発・決済基盤の整備が進められている。

 画像:PIXTA

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

合わせて読みたい記事

スペースネットワーク、フィリピン企業と5000万ドルの衛星通信サービス事前注文契約

衛星通信インフラ企業スペースネットワーク(Space Network)が、フィリピンのインフラ企業HQカンパニー・インターナショナル・ホールディングス(HQ Company International Holdings:HQ Company)と、5,000万ドル(約78億5,200万円)規模の衛星通信サービスに関する拘束力のある事前注文契約を締結したと9月29日に発表した

【9/30話題】バイナンスペイがPayPay加盟店での訪日客向け暗号資産決済に対応、KDDIらがau PAYで暗号資産ウォレット提供開始など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored