イングランド銀行、ステーブルコイン規制案を再考へ=報道

業界圧力受け見直し検討

イングランド銀行(BoE)が、ステーブルコインに関する規制案の見直しを検討しているようだ。「英フィナンシャル・タイムズ(FT)」をはじめ各社が5月14日に報じている。

BoEのサラ・ブリードン(Sarah Breeden)副総裁は、個人の保有上限を1トークンあたり2万ポンド(約424万円)、法人を1,000万ポンド(約21億円)とする当初案について、「過度に保守的だった可能性がある」と認めた。

ブリードン副総裁はFTのインタビューで、「ステーブルコインが普及する中で生じるリスクを管理するための、別のアプローチを真剣に模索している」と述べた。

業界からは、こうした規制が英国のデジタル経済における競争力を損なうリスクがあるとの批判が強まっていた。BoEも「一時的な措置として提案した上限について、実装方法が運用上煩雑だという声が業界から寄せられた」と伝え、「目的を達成するための別の方法を検討することに真摯にオープンだ」と説明した。

BoEはあわせて、裏付け資産の40%以上を無利子でBoEに預け入れ、残り60%を英国短期国債で運用するよう義務付ける要件についても見直しを検討している。

この要件については、米国など主要市場と比べて厳格との指摘が出ており、英国発ステーブルコインの収益性を圧迫するとの批判が上がっていた。

ブリードン副総裁は、「業界が利息のつく資産をより多く保有したいのは当然で、それは収益に直結する」と述べた一方、「流動性ストレスの経験に基づいた要件だったが、保守的すぎたかどうか改めて精査する」と語った。

コインベース(Coinbase)の欧州政策責任者であるケイティ・ハリーズ(Katie Haries)氏は、「BoEがステーブルコイン提案を再検討する準備があるという重要なシグナルだ」とコメントした。

同氏は、「保有上限はイノベーションへの制約であり、英国の競争力に対して現実かつ重大なリスクをもたらすと長年主張してきた」と述べ、今回の方針転換を歓迎した。

現在、ポンド建てステーブルコインのグローバル市場シェアは、約3,150億ドル(約49兆9,276億円)規模の市場全体の0.5%未満にとどまっている。規制整備が進む米国や欧州との差が広がる中、BoEの今回の姿勢転換が英国のデジタル資産競争力の回復につながるか注目される。

参考:報道
画像:Reuters

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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