テザー、USDT準備金からコマーシャルペーパーを完全削除

テザー、USDT準備金からコマーシャルペーパーを完全削除

米ドルペッグのステーブルコインUSDTを発行するテザー(Tether)社が、USDTの準備金に占めるコマーシャルペーパーの割合をゼロにしたことを10月13日に発表した。コマーシャルペーパーとは企業が発行する無担保の短期債務証券のこと。

USDTは法定通貨担保型のステーブルコインコインであり、発行量と同等の資産を準備金として確保することにより、対象資産に連動した価格を維持する仕組みとなっている。USDTの準備金は米国財務省短期証券(T-Bill)、コマーシャルペーパー、マネーマーケットファンド、ローン、社債、現金・預金などで構成されていた。

テザー社はかねてより準備金のうちコマーシャルペーパーの割合を減らすことを宣言していた。コマーシャルペーパーはSECの登録を必要とせずに発行することができるため、発行体によってデフォルトリスクが大きく異なる。テザー社は準備金の構成要素のうちコマーシャルペーパーのような不安定な資産からT-Billのような安全な資産へ組み替えを進めていた。

テザー社はUSDTの準備金の内訳について2021年5月から四半期ごとの証明書を公開している。2022年8月に公開された6月末日付のレポートによると、準備金のうちコマーシャルペーパーの金額は84億ドルとなっており、準備金全体に占める割合は11.8%となっていた。

その後、9月30日時点でコマーシャルペーパーの金額を5000万ドル以下まで減らし、ついに10月13日にその金額がゼロになったとのこと。これで準備金のうち半分近く(400億ドル)をT-Billが占めることとなった。

テザー社は8月18日に大手監査法人BDOのイタリア法人BDO Italiaと提携し、準備金の報告書を四半期毎ではなく月毎に公開することを発表している。月次報告は年内に開始される予定とのことだ。

関連ニュース

テザー社がトルネードキャッシュ関連アドレスを自発的に凍結せず、サークルの対応を批判

USDTのテザーが準備金の月次報告へ、監査法人BDOイタリアと連携

テザー社、USDTの裏付け資産に関する噂を否定

米国規制委員会トップ、暗号資産やステーブルコイン規制強化の方針

SWIFT、「CBDCクロスボーダー決済」の実験に成功

参考:Tether
images:Reuters

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

小俣淳平

「あたらしい経済」編集部
一橋大学2年生
真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

「あたらしい経済」編集部
一橋大学2年生
真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

合わせて読みたい記事

【4/26話題】コンセンシスがETH規制でSECを提訴、米国政府マネーファンドがP2Pで転送可能になど

米コンセンシス、イーサリアム(ETH)規制めぐり米SECを提訴、フランクリン・テンプルトン、「米国政府マネーファンド」をP2Pで転送可能に、オーケーコインジャパンにオプティミズム(OP)上場へ、国内3例目、米決済ストライプ、「USDC支払い」今夏から導入へ、Fireblocks、機関向けのDeFiセキュリティ機能を拡張、アーサーヘイズ、ビットコインの強気相場続くと予想、コスモス「IBC」でトークン無限発行のバグ修正、アシメトリックリサーチ報告、ビットコインの改善提案「BIP420」公開、スマコン追加やゼロ知識証明など実装に向け、エルサルバドル、公式デジタルウォレット「Chivo」のソースコード流出、米SEC、テラフォームラボと創業者に約53億ドルの支払い命じる