USDC運営基盤を拡大へ
米サークル(Circle Internet Financial)が、通貨監督局(OCC)に、信託銀行「ファースト・ナショナル・デジタル・カンレンシー・バンク(First National Digital Currency Bank, N.A.)」の設立を6月30日に申請した。
この信託銀行の設立が承認されれば、サークルはUSDC準備金の管理・監督を行い、機関投資家向けのカストディサービスを提供する体制を整えることになる。また、連邦規制の信託銀行としてのステータスを得ることで、州ごとのライセンス取得を経ずに全米で営業できるようになる。
サークルの共同創設者兼会長兼CEOジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)氏は、「全国的な信託チャーターを通じて、USDCインフラの強化へ積極的に前進しています。ドル建て支払いステーブルコインの発行・運営に関して新たに整いつつある米国の規制に準拠することで、米ドルの普及と回復力を高め、世界の主要機関が構築する中立的インフラの整備を支援できると信じています」とコメントしている。
米国では、ドル建てステーブルコインの発行に関する新たな法案「GENIUS法案」の審議が進んでおり、連邦政府によるステーブルコインの枠組み整備が加速している。
今回の全国信託チャーター申請についてサークルは、「GENIUS法案」に基づく要件を満たすものと位置づけており、同社が発行・運営するUSDCを、連邦レベルで規制された形で米国金融システムへ統合するための重要なステップだとしている。
参考:発表
画像:iStocks/ Максим-Ивасюк・Thinkhubstudio