米上院、ステーブルコイン規制の「GENIUS法案」を可決

「アメリカが暗号資産のグローバルリーダーへ」

米上院は、68対30の賛成多数で、米国内におけるステーブルコイン規制を目的とした「GENIUS法案」を6月17日に可決した。

ビル・ハガティ(Bill Hagerty)上院議員が提案した同法案は、5月8日に一度「審議入り」の投票で否決されたが、再調整を経て再提出された。修正案には、支払い用ステーブルコインの発行・運用に関する規制、発行者の登録制度、消費者保護、DeFiの適用除外、財務省への特例権限付与などが盛り込まれた。

さらに修正案では、FDIC保険や政府保証を誤認させる表示の禁止、大手IT企業による発行制限、「United States」など国家的権威を想起させる名称の使用制限など、消費者保護と倫理基準の強化が図られている。

ハガディ上院議員は、採決に先立ち上院本会議で「この法案は金融システムにとって極めて大きな意味を持つ」とし、「21世紀型の構造へと移行するパラダイム・シフトをもたらすものだ」と述べている。また、「この法案により、アメリカは暗号資産分野におけるグローバルリーダーに一歩近づいた」と続けている。

今回上院で可決されたこの法案は、下院へ送付される。下院でも無事可決されれば、最終的に大統領の署名を経て正式な連邦法となる。

また下院では、「GENIUS法案」に関連する、ステーブルコインに関する法案の「STABLE法」が今年3月に提出された。

5月6日に下院本会議での審議リスト(Union Calendar)に掲載されたこの法案は、今後、下院で審議される可能性があり、そこで追加の修正案が提出されることが予想される。

4月3日に下院金融サービス委員会で可決された「STABLE法」は、「より良い台帳経済の実現に向けたステーブルコインの透明性および説明責任に関する法律(Stablecoin Transparency and Accountability for a Better Ledger Economy)」という正式名称で、準備金要件やマネーロンダリング防止基準など、ドル建てステーブルコインの規制枠組みを構築する内容となっている。

また、同法案は、2025年1月23日にトランプ大統領が署名した大統領令を法制化しようとするものでもある。大統領令では、米国内でのCBDCの設立、発行、流通、使用を禁止する方針が示されていた。

参考:米上院STABLE法
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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