米上院、ステーブルコインの「GENIUS法案」審議続行を可決

「GENIUS法案」審議続行へ

米上院は現地時間5月19日夜、米国内におけるステーブルコイン規制を目的とした「GENIUS法案(S.1582)」の審議を続行することを決定した。

投票では、賛成66票、反対32票、棄権2票で、「審議続行(cloture)」が可決された。民主党からはキルステン・ギリアブランド(Kirsten Gillibrand)上院議員、アンジェラ・アルソブルックス(Angela Alsobrooks)上院議員、ルーベン・ガイエゴ(Ruben Gallego)上院議員、マーク・ウォーナー(Mark Warner)上院議員を含む16人が賛成に回ったとされている。

ウォーナー議員は法案への支持を示す一方、トランプ一族が暗号資産技術を私的に悪用し、資金の流れを隠して利益を得ている可能性について懸念を表明している。

一方、反対票を投じた議員の中にはエリザベス・ウォーレン上院議員も含まれている。アンチクリプトで知られるウォーレン上院議員は「ステーブルコイン規制は必要だが、この法案には依然として根本的な欠陥がある」として反対姿勢を貫いた。

GENIUS法案が正式に可決されるためには、今後上院本会議での採決を経る必要がある。

同法案は5月8日に一度「審議入り」の投票で否決されたが、再調整を経て再提出されており、支払い用ステーブルコインの発行・運用に関する規制、発行者の登録制度、消費者保護、DeFi適用除外、財務省への特例権限付与などが盛り込まれている。

さらに修正案では、FDIC保険や政府保証を誤認させる表示の禁止、大手IT企業による発行制限、「United States」など国家的権威を想起させる名称の使用制限など、消費者保護と倫理基準の強化が図られている。

こうした動きを受け、ステーブルコインに関連する分散型プロトコルのトークン価格が一時高騰。ステーブルコインのレンディングも取り扱う「アーベ(Aave)」のネイティブトークンであるAAVEは、5月20日時点で過去24時間に約20%上昇し、30日間では90%以上の伸びを記録した。

参考:法案概要CNBCワーナー議員声明
画像:iStock/rarrarorro

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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