エリザベス・ウォーレン含む米上院議員ら、法案推進の最中、暗号資産への批判を再度表明

「詐欺師を締め出す」

エリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)上院議員とシェロッド・ブラウン(Sherrod Brown)上院議員は、暗号資産が不正な金融や詐欺に使われる可能性についての懸念を示した。2月1日の公聴会で表明した。

銀行・住宅・都市問題委員会が開催した「銀行システムにおける詐欺と不正の検証および消費者への影響」と題する公聴会に参加したブラウン議員は、「詐欺は消費者金融に限ったことではなく、暗号資産でもよくあること」との見方を示し、「私たちは、金融システムをより安全なものにするため、暗号資産やアプリ、小切手詐欺など、横行する詐欺を阻止するため、努力を続けていく」と述べている。

暗号資産(仮想通貨)に対して否定的なウォーレン議員は、過去1年でデジタル資産アンチマネーロンダリング法( Digital Asset Anti-Money Laundering Act of 2023)を推進。同法は19名の上院議員が支持を表明している。

ウォーレン議員は同法案を、「マネーロンダリング防止規則の穴をふさぎ、金融規制当局が疑わしい暗号資産活動を追跡しやすくすることにより、暗号資産活動をより可視化し、詐欺師を締め出すもの」だと説明している。

しかし同法案には、顧客の把握(know-your-customer)規則が含まれており、適応範囲がマイナー、バリデータ、ウォレットプロバイダーに及ぶため、暗号資産業界の一部からは範囲が広すぎるし、違憲との声も上がっている。

またブロックチェーンメディアのザ・ブロック(The Block)によれば、ウォーレン氏は公聴会にてステーブルコインについても言及。暗号資産の不正取引の大部分でステーブルコインが使用されていることが最近のデータから分かったと指摘したという。

暗号資産調査企業チェイナリシス(Chainalysis)は1月、2021年にサイバー犯罪者が使用した暗号資産のトップはビットコインであったが、ここ2年でステーブルコインが主流となり、現在では不正取引量の大半を占めていると伝えている。

ステーブルコイン発行企業の米サークル(Circle Internet Financial)は昨年12月、直接的または間接的にハマス(またはその他の不正行為者)などによる違法な資金調達に関与していない旨を主張する書簡を、ブラウン議員とウォーレン議員に送っていた。

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参考:公聴会デジタル資産アンチマネーロンダリング法The Block
images:Reuters

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髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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