ペイパル、米ユーザー向けに「PYUSD」の海外送金サービス開始

送金者が選択した法定通貨で受け取り可能に

米決済大手ペイパル(PayPal)が、独自の米ドル建てステーブルコイン「PayPal USD(PYUSD)」を米ドルに換金して海外送金できるサービスを米国ユーザー向けに開始した。ペイパルが4月4日発表した。

同サービスは、同社提供の海外送金サービス「Xoom(ズーム)」を介して行われるとのこと。なお対象となる米国ユーザー(ハワイ州を除く)は世界約160カ国以上に送金が可能だという。なお手数料は無料だが、送金通貨が米ドル以外の場合は、為替スプレッドが発生するとのこと。

ペイパルによれば「このオプションを選択すると、Xoomは米国ユーザーのペイパルの暗号資産ハブ(PayPal Cryptocurrency Hub)にあるPYUSDを暗号資産販売手数料なしで米ドルに変換し、受取人は送金者が選択した法定通貨で資金を受け取れる」とのこと。

ちなみにハワイ州で同サービスが利用できないのは、州法により暗号資産保有が禁止されているためとペイパルは説明している。

「PYUSD」とは

「PYUSD」は、米ドルの価格に1:1でペッグ(固定)されたステーブルコインだ。昨年8月7日にペイパルがローンチを発表した。

なおペイパルのような大手金融会社が独自のステーブルコインを発行するのは、初の事例である。

ペイパルによると「PYUSD」の価値は、米ドル預金・短期米国債・同様の現金相当物に100%裏付けられているという。

発行元については「パクソストラストカンパニー(Paxos Trust Company)」が担当している。

現在「PYUSD」は、クリプトドットコム(Crypto.com)やビットスタンプ(Bitstamp)、コインベース(Coinbase)、クラーケン(Kraken)などの暗号資産取引所で取り扱われており、メタマスク(MetaMask)やレジャー(Ledger)、ファントム(Phantom)といったweb3ウォレットでもサポートされている。

また昨年9月からペイパル傘下のモバイル決済アプリ「ベンモ(Venmo)」でも利用が開始されている。これによりユーザーは、「PYUSD」を「ペイパル」や「ベンモ」など互換性のある外部ウォレットへ、高速かつ手数料無料で送金できるようになっている。

関連ニュース

参考:発表
images:iStocks/digitalmazdoor-digitalmazdoor・Ninja-Studio

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【9/6話題】テレグラムCEOが逮捕後初の声明、トランプが米国を「暗号資産とBTCの世界的中心地」にすると宣言など(音声ニュース)

テレグラムCEO、逮捕後初の声明発表。同社使命に同意できない国からは撤退の意志も、トランプ、米国を「暗号資産とBTCの世界的中心地」にすると宣言。イーロンマスクと共に米政府財務監査行う姿勢も、スイ(SUI)、機関投資家向け米ドルステーブルコイン「AUSD」利用可能に、モジュラーブロックチェーン「Elixir」、最終テストネット公開、EigenLayer、メジャーアップデート「アイゲンポッドアップグレード」導入、FlowがEVM対応開始、メタマスクでも利用可能に、TONブロックチェーン、総トランザクション数が10億件を突破、半数は3か月、Penpieで27Mドルの不正流出、Pendleは105Mドルの保護に成功

Sponsored

暗号資産決済Mercuryoがマルチチェーンデビットカード提供開始、マスターカードと提携で

暗号資産(仮想通貨)決済プラットフォーム「マーキュリョ(Mercuryo)」が決済大手の米マスターカード(Mastercard)と提携し、ノンカストディアル型のウォレットから暗号資産を直接使えるマルチチェーンデビットカード「スペンド(Spend)」の提供開始を9月5日発表した