リップル社、アイルランドで暗号資産事業者ライセンス取得

VASPライセンス取得

米リップル(Ripple)社のアイルランド部門のリップル・マーケッツ・アイルランド・リミテッド(Ripple Markets)が、アイルランド中央銀行(CBI)にて暗号資産サービス・プロバイダー(VASP)として登録されたと12月19日発表した。

これによりリップルマーケッツは、アイルランドにおいて特定のデジタル資産サービスの提供が可能となったとのこと。

なおリップル社は2022年にアイルランドの首都ダブリンに事務所を開設している。

これはアイルランドがフィンテック企業にとって有利な場所であるからだとリップル社は説明している。

2018年にはCBIが、金融サービス向けの新技術開発を促すイノベーション・ハブを設立。フィンテック企業と規制当局が、より気軽に接点を持てる環境が整えられている。

リップル社のストラテジック・イニシアチブ担当SVPのエリック・ファン・ミルテンブルグ(Eric van Miltenburg)氏は「アイルランドとEUは、業界に明確な規制を提供することで、デジタル資産、決済、フィンテックのエコシステムに対する信頼を高め、これらの業界の長期的発展に対するコミットメントを表明している」と述べている。

また今回のリップル社の動きは、EUにおける暗号資産市場規制(MiCA)の施行に先立ち、行われたとみられる。

リップル社は2024年末に予定されているMiCA施行後、他の必要なライセンス取得を前提に、欧州経済領域全域の顧客にサービスを提供していくと述べている。

各社がアイルランドでのVASP取得進める

アイルランドでのVASPライセンス取得の動きは、EUによる暗号資産市場規制法案(MiCA)の制定に先駆け、各社勢いづいている。MiCAは、EUの暗号資産サービスプロバイダーに向けて包括的な暗号資産市場規制を示す法案で、2020年9月に原案が提出され、複数のステップを踏みながら、5月16日に経済金融問題理事会にて採択された。MiCAは今夏に欧州連合広報に掲載され、発効予定だ。

昨年7月に暗号資産取引所のジェミナイ(Gemini)、同年12月に米大手暗号資産取引所のコインベース(Coinbase)、今年4月には暗号資産取引所クラーケン(Kraken)、8月には暗号資産決済プロバイダのムーンペイ(MoonPay)10月にはデジタル資産取引所及び仲介プラットフォームのゾディア・マーケッツ(Zodia Markets)が取得している。

MiCAで行われること

MiCAでは、暗号資産業界における市場の乱用・インサイダー取引や操作行為を防ぐフレームワークが提供される。また、暗号資産の発行者・暗号資産取引所・ウォレットプロバイダーの登録と認証が行われるとのこと。

またステーブルコインの発行者は特定のセキュリティ・リスク軽減要件を満たす必要があり、カストディサービスに対しては、サイバーセキュリティや運用が失敗した場合の問題に対処するのに十分なセキュリティと安全対策を確保することを義務づけるとのことだ。

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参考:リップル社
images:iStock/Abscent84・rarrarorro

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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