バイナンス、MiCA準拠のためにステーブルコイン上場廃止を視野に

準拠するため上場廃止も視野に

大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、2024年半ばまでにEU市場においてステーブルコインの上場を廃止するかもしれない。バイナンスがブログにて9月21日発表した。

発表によればバイナンスは21日、欧州銀行監督機構(EBA)による「欧州連合(EU)暗号資産(仮想通貨)市場規制法案(MiCA/マイカ)」の下で2024年6月30日に欧州で発効される新規則の技術的導入に関する協議に参加したという。

そのディスカッションでは、「MiCA」に準拠し、ステーブルコインの運営者がEMI(Electric Money Institution)ライセンスを申請する際に猶予期間を得ることができるかどうかについて、焦点が当たったという。現状では、「MiCA」はすべてのEUの取引所に対し、発行者がEUでEMIライセンスを持っていないステーブルコインの上場廃止を要求することになるからだ。

これについてバイナンスは声明にて「現在、そのような取引所はない」とし、「私たちは、2024年半ばの期限までに建設的な解決策が講じられると信じているが、このままであれば、欧州の暗号資産市場とグローバル市場における欧州の暗号取引所の競争力に影響を及ぼす可能性がある」とコメントした。

またバイナンスは「MiCAの大まかな趣旨は、暗号資産業界にとって圧倒的にポジティブ」としたうえで、MiCAが確実に目標を達成し、意図しない結果を減らすために、このような建設的な話し合いを行うことが重要だと指摘。

今後も規制当局と建設的に協力し、対話を続けると述べている。

EBAは7月、ステーブルコイン発行者に対し、リスク管理と消費者保護に関する「指導原則」に準拠するよう促す第一弾の対策を公表している。

またEBAは、ステーブルコイン発行体の資本要件と、ストレス市場におけるステーブルコインの償還に企業がどのように対処すべきかに焦点を当てた規則案の第2弾を10月に発表する予定だ。

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参考:バイナンス
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Rawpixel

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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