アプトス(APT)、ネットワーク停止に関するレポート公開

アプトスがネットワーク停止を報告

アプトス財団(Aptos Foundation)が、レイヤー1ブロックチェーン「アプトス(Aptos)」のネットワーク停止に関するレポートを日本時間10月20日に公開した。なお同ネットワークは現在正常に稼働している。

「アプトス」のネットワークは、10月18日16:15(PTD:太平洋夏時間)日本時間で19日8:15から同日13:30(日本時間)まで約5時間停止していた。

開発チームは19日9:24に「ネットワーク上のトランザクションに影響が出ている」と公式X(旧ツイッター)で報告。これを受けてバイナンス(Binance)やOKX、アップビット(Upbit)などアプトスのネイティブトークン「APT」を取り扱う多くの海外暗号資産(仮想通貨)取引所が、同トークンの入出金を一時的に停止していた。

アプトス財団の報告によると、ネットワーク再開時にトランザクションは全て実行され、チェーンのフォーク(分岐)も発生しなかったという。

原因としてはトランザクションが大量に発生するような負荷がネットワークにかかったわけではなかったとのこと。

問題となったのは今年8月22日にアプトスのコアコードベースにコミットされた、パフォーマンス向上に関するコード変更だったという。このコード変更により発生したバグが原因となったようだ。

このバグは具体的に、ガス代(ネットワーク手数料)が制限に達した場合にのみ発生したものだったという。このバグにより、同じトランザクションで複数の実行結果が発生し、ノードがトランザクションの処理を一時停止したとのことだった。

開発チームは、この問題を特定し、コード変更の取り消しを実行。これによりトランザクション遅延を解決したとのこと。同チームは再度のバグ発生が起こらないよう確認もしたとのことで、ノードオペレーターへクライアントの更新を指示している。

なおこのバグはレアケースとのことで、テストでは発見できず、今回実際に起こって初めて気づいたものだったとのことだ。

「アプトス」は昨年10月17日にメインネットローンチしたL1ブロックチェーン。今回の問題はそこから1年経って発生した、同ネットワークとしては初の事故である。

なお「アプトス」は、メタ(旧フェイスブック)のデジタル資産事業ディエム(Diem)の開発チームに所属していたモー・シャイフ(Mo Shaikh)氏とエイブリー・チン(Avery Ching)氏が共同創業したアプトスラボ(Aptoslabs)が開発を主導している。ちなみに「アプトスネットワーク」の開発言語はディエムが開発した「Move(ムーヴ)」が採用されている。

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参考:アプトス
デザイン:一本寿和
images:iStocks/scyther5

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
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ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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