親クリプト派のマクヘンリー下院議員、臨時下院議長に就任

下院議長更迭に伴い

暗号資産(仮想通貨)に好意的な下院議員が、米下院議長を務めることになった。各メディアが10月3日報じている。

米下院は、共和党のケビン・マッカーシー(Kevin McCarthy)議長の解任動議を賛成多数で10月3日可決した。なお下院議長の解任は史上初のこと。

これに伴い、親クリプト(ブロックチェーン・暗号資産の総称)派と知られる下院金融サービス委員会のパトリック・マクヘンリー(Patrick McHenry)氏が臨時議長に就任することになった。

なおNBCの報道によれば下院規則では、臨時議長がいつまで権力の座に留まることができるかは特に定められていないという。そのためマクヘンリ―氏の議長としての任期は現時点で定かではない。

新議長となるマクヘンリ―氏はマッカーシー氏の解任動議投票前日のX(旧Twitter)にて「マッカーシー議長は一貫して保守的なリーダーシップを発揮してきた。米国への公約を果たすためには、彼の安定した手腕が必要。解任動議で時間を浪費するのはアメリカ国民への冒涜だ」とポストし、マッカーシー氏に味方していた。

マクヘンリ―氏は6月に暗号資産を規制する「デジタル資産市場構造討論草案」と、ステーブルコインや中央銀行デジタル通貨(CBDC)に特化した「ステーブルコイン法案」を提出しており、これら法案の可決に向け尽力している人物だ。

またマクヘンリ―氏は、米証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長を度々厳しく追及しており、4月18日のSEC監督審査(公聴会)の場ではゲンスラー委員長に対し、「米国法の下で、ETHはSECの管轄下にある証券か、証券先物取引委員会(CFTC)の管轄下にある商品(コモディティ)かについて明確な回答を求める」と迫り、答弁の中で明確な回答を避けるゲンスラー委員長の発言を何度も遮り、「現行法の下でETHは商品か証券を判断してほしい」と指摘している。

なお9月27日の公聴会でもマクヘンリー氏は、「SECが議会を政府の共同対等な一部門として認め、私たちの監督義務に応えるような道筋を見つけるか、あるいは私の唯一の選択肢は召喚状を発行することだ」と述べている。

またザ・ブロック(The Block)によれば、下院多数党院内幹事のミネソタ州選出のトム・エマー(Tom Emmer)議員が下院議長の候補として浮上したとの話もあるようだ。

なおエマ―議員もクリプトに好意的である人物として知られており、9月26日にはゲンスラー委員長に対し、現物(スポット)ビットコイン上場投資信託(ETF)の上場を認めるよう求める書簡を他の下院議員らと連名で送っている。

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参考:NBC
デザイン:一本寿和
images:Reuters

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髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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