米下院議員ら、現物ビットコインETFの即時承認をゲンスラー委員長に要請

現物ビットコインETFを差別しないように

米下院議員らが、米証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長に対し、現物(スポット)ビットコイン上場投資信託(ETF)の上場を認めるよう迫っている。民主党と共和党の議員らがゲンスラー委員長に9月26日付けで宛てた書簡にて明らかとなった。

書簡を送ったのは、ネブ州選出のマイク・フラッド(Mike Flood)議員、ミネソタ州選出のトム・エマー(Tom Emmer)議員、ニューヨーク州選出のリッチー・トーレス(Ritchie Torres)議員、ノースカロライナ州選出のワイリー・ニッケル(Wiley Nickel)議員の4名だ。

議員らによれば、この書簡は「SECが現物ビットコインETFを差別しないように」と書かかれたものだという。

また議員らは、ゲンスラー委員長が一貫して主張してきた「デジタル資産企業はSECに来て登録すべき」という主張を引用。市場参入者は委員長のこの言葉に従い、現物ビットコインETPの申請をしているとし、SECは先日控訴裁より下された承認拒否を取り消す決定に従うべきで、差別的な基準で申請を拒否し続けるべきでないと指摘している。

書簡で議員らは「議会は、議会が定めた要件を満たす投資商品をSECが承認するようにする義務がある。そのために、私たちはスポット(現物)ビットコインETPの上場を直ちに承認するよう強く要請する」と結んでいる。

なおETPは「上場取引型金融商品」のことを指す。ETFはETPに含まれる。

米控訴裁が承認拒否取り消し命令も

ワシントンD.C.の控訴裁判所は8月29日、SECに対し、暗号資産運用会社グレイスケール(Grayscale)が申請する現物ビットコインETFの承認拒否を取り消すよう命じた。

意見書では、SECが2つのビットコイン先物ETPの上場は許可したにもかかわらず、グレイスケール申請の現物ビットコインETFを承認しなかった理由が十分に説明されていないと指摘。

控訴裁はSECに対し、「一貫した説明がない以上、同種の商品に対するこのような規制上の扱いは違法」とし、グレイスケールの現物ビットコインETFの再審査請求を認め、SECの命令を取り消すとの判決を下した。

グレイスケールは6月、SECが恣意的に現物(スポット)ビットコイン上場投資信託(ETF)の承認拒否を続けているとし、ワシントンD.C.の連邦控訴裁判所へ訴えていた。

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参考:書簡
デザイン:一本寿和
images:Reuters

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髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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