ビットフィネックス支援のL1チェーン「Stable」がメインネット稼働、トークノミクス公開も

ステーブルがトークノミクス公開とメインネット稼働

暗号資産取引所ビットフィネックス(Bitfinex)主導の資金調達で立ち上がったレイヤー1ブロックチェーン「ステーブル(Stable)」が、ネイティブトークン「STABLE」のトークノミクスを12月2日に公開した。また同プロジェクトは12月8日、メインネットが稼働したと発表した。

ステーブルは、ステーブルコイン決済に特化したブロックチェーンとして設計されており、通常の利用においてユーザーは世界最大のステーブルコインである「USDT」のみを扱うことを前提とする。手数料もUSDT建てで支払われ、ユーザー側でSTABLEを保有する必要はない。

一方でSTABLEは、決済用資産ではなく、ネットワークのセキュリティと運営(ガバナンス)を支えることを目的としたトークンである。ステーブルは「StableBFT」と呼ばれる委任型プルーフ・オブ・ステーク(DPoS)で合意形成を行い、バリデーターはSTABLEをステークして参加する。トークン保有者は、選択したバリデーターにステークを委任できる。

またSTABLE保有者はガバナンスに参加し、プロトコルのアップグレードやネットワークパラメータ変更、コミュニティ準備金・エコシステム準備金の配分などについて投票できる。発表によると「STABLEはステークを通じた合意形成メカニズムの保護、ガバナンスとプロトコルアップグレードの調整、エコシステムインセンティブと長期的な持続可能性の支援のために存在する」とのことだ。

STABLEの総供給量は1,000億枚に固定され、インフレによる追加発行は予定されていない。配分は、ジェネシス配分10%、エコシステム・コミュニティ40%、チーム25%、初期投資家・アドバイザー25%で、チームおよび投資家・アドバイザー分には1年のクリフ(ロック)期間と、合計48カ月の線形ベスティング期間が設定されている。

ステーキング報酬については、インフレ発行は行わず、ネットワークで発生した「USDT」建て手数料がプロトコル管理のボールトに蓄積され、バリデーターが委任者へ分配し得る仕組みだという。ネットワークの実際の利用量と、ステーキング参加者へのインセンティブが連動する設計とされている。

なおステーブルはメインネット稼働に先立ち、将来の配布やインセンティブに紐づくとされるプレデポジットを2フェーズ実施した。プロジェクトの発表によれば、フェーズ1は預け入れ上限8.25億ドルに到達したとのこと。

フェーズ1は、少数の大口ウォレットが預け入れの大部分を占めたとの批判があったため、フェーズ2ではウォレットごとの預け入れ上限や個別要件が導入された。フェーズ2は11月15日に終了し、10,000以上の認証済みウォレットから11億ドル超の適格預け入れが集まったとしている。また2フェーズ合計で20億ドル超が24,000超のウォレットから預け入れられたとも説明されている。 

参考:Stableブログ
画像:iStocks/metamorworks

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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