zERC20、JPYC向けプライバシートークン「zJPYC」公開

JPYC対応のプライバシートークン「zJPYC」公開

イントマックス(INTMAX)のコア開発者らが手がけるプライバシー送金プロトコル「zERC20」で、日本円建てステーブルコイン「JPYC」に対応するプライバシートークン「zJPYC」が公開された。zERC20の公式ブログおよび公式Xアカウントで6月11日に発表された。

zERC20は、イーサリアム(Ethereum)のトークン規格「ERC20」のプライバシー保護機能の実現を目指すプロトコルだ。公式サイトによると、専用ウォレットや専用アプリを必要とせず、メタマスク(MetaMask)など一般的なウォレットで利用できることが特徴とのこと。また同プロトコルは、イーサリアムやBNBチェーン(BNB Chain)、アービトラム(Arbitrum)、ベース(Base)など、複数のEVM互換チェーン上で利用できる設計になっているという。

今回発表されたzJPYCは、ポリゴン(Polygon)上で提供されるという。JPYC自体が複数チェーンで発行されている中で、今回のzJPYCはポリゴン上のJPYCを対象にしたラップドトークンとして提供される。ユーザーはポリゴン上のJPYCを1:1でzJPYCへラップし、zERC20を通じて送金できる。受取人はzJPYCをJPYCへ戻せるとのこと。

zERC20チームは、この仕組みにより送信者と受取人のブロックチェーン上の関連付けを分断できると説明している。また、既存のEVM互換インフラとの相互運用性も維持されるという。なおzERC20のプライバシー保護は、単にJPYCをzJPYCへラップするだけで実現されるものではなく、zERC20を通じて送金・償還する過程で送信者と受取人の関連付けを分断する仕組みだ。

同プロトコルチームによると、日本はデジタルマネーやステーブルコインに関する規制整備が進んだ市場の一つであり、JPYCは国内で広く認知された日本円建てデジタル資産になっているという。なおJPYC社は6月2日、JPYCの累計発行額が5月30日時点で30億円を突破したと発表している。

またzERC20は、プライベート送金に加え、外国為替(FX)やヘッジ、トレジャリー管理などへの活用も想定しているという。さらに開発者は、ウォレットやコマース、AIエージェント、分散型金融(DeFi)アプリケーションなどへプライベートな円決済機能を組み込めるとしている。

zERC20の創設者であるの藤本真衣氏は自身のXアカウントで、「残高が誰からでも見えてしまう」、「売上などが丸見えになってしまう」といった課題への対応策としてzJPYCを紹介している。

なおzJPYCはzERC20が独自に提供するJPYC社非公式サービスだ。JPYC発行元のJPYC社はzJPYCの提供、共同開発、審査、承認には関与していないとのこと。

参考:公式ブログ
画像:PIXTA

関連ニュース

この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

合わせて読みたい記事

SBIグローバルAM・スターテイルら、「JPYSC」活用見据えたトークン化日本株ファンドの決済・分配PoC開始

SBIグローバルアセットマネジメント、RWA(現実資産)トークン化・取引プラットフォームのデジフト(DigiFT)、ブロックチェーンインフラを開発するスターテイルグループ(Startale Group)の3社が、円建てステーブルコイン「JPYSC」の将来的な活用を見据え、トークン化された日本株ファンドの申込決済と分配金支払いに関する概念実証(PoC)を開始すると7月15日に発表した

SBIグローバルAMとDigiFT、日本株ファンド戦略のトークン「JX」をソラナで提供開始

SBIグローバルアセットマネジメント(SBI Global Asset Management)と、シンガポールのデジタル資産取引所デジフト(DigiFT)が、日本株の高配当戦略へオンチェーンでアクセスできるトークン「SBI日本高配当株式戦略トークン(SBI Japan High Dividend Equity Strategy Token:JX)」の提供開始を7月15日に発表した