Bitfinex支援でガス代「USDT」採用のL1「Stable」、開発ロードマップ公開

既存のL1インフラの課題解決目指す

海外暗号資産(仮想通貨)取引所ビットフィネックス(Bitfinex)によって支援され、テザー社(Tether)のUSDTをガス代・決済手数料のネイティブトークンとして採用するL1ブロックチェーン「ステーブル(Stable)」が、ロードマップの展開フェーズを7月1日に発表した。

発表によれば、「Stable」は取引コストの削減、即時決済、そしてシンプルなユーザー体験を重視したブロックチェーンである。

プロジェクトは、既存のL1インフラでは対処しきれないとされる課題、たとえば予測困難な手数料、処理遅延、複雑なUX(ユーザー体験)を解決するために設計された。現在、グローバルに流通するステーブルコインの総額は1,500億ドルを超えており、USDT単体でもVisaを上回るトランザクションボリュームを記録しているという。こうした背景から、「Stable」はUSDTの「本来のポテンシャルを引き出す」チェーンとしてローンチされた。

「Stable」の主な特徴としては、ネットワーク手数料をUSDTで直接支払える仕様であること、P2P送金がガス代無料であること、取引が数秒以内で即時確定し、手数料が1セント未満に抑えられていることが挙げられる。また、ピーク時でも安定処理が可能な高スループット設計、大口取引に対応した企業向けブロックスペース保証やバッチ処理機能、USDT0およびLayerZeroを活用したクロスチェーン相互運用性、直感的なUIを備えた公式ウォレット「Stable Wallet」の提供も含まれている。

「Stable」は、今後の展開を3段階のフェーズに分けて計画している。第1フェーズでは、USDTをネットワークのネイティブガス通貨とする基盤構築を行い、「Stable Wallet」のローンチを実施。第2フェーズでは、並列実行処理(optimistic parallel execution)と企業向けのトランザクション集約機能の導入によって、効率性と一貫性の向上を目指す。第3フェーズでは、DAG(Directed Acyclic Graph:有向非巡回グラフ)ベースのコンセンサスアルゴリズムを採用することでさらなる高速化を図り、dApp(分散型アプリケーション)開発の基盤を強化していくとしている。

発表では、「Stableはすべての人がステーブルコインを直感的に活用できる未来を目指している」とされ、「クロスボーダー送金から商取引、dApp開発まで、あらゆるユースケースに対応したインフラを提供する」と述べられている。また、公式Xやディスコード(Discord)、テレグラム(Telegram)を通じて、グローバルユーザーおよび開発者コミュニティへの参加も呼びかけられている。

参考:Stable
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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