ステートストリートとギャラクシー、ペイパル「PYUSD」対応のトークン化流動性ファンドを来年提供へ

PYUSD活用のトークン化流動性ファンドを計画

米金融大手ステート・ストリート(State Street)の資産運用部門であるステート・ストリート・インベストメント・マネジメント(State Street Investment Management)とギャラクシー・アセット・マネジメント(Galaxy Asset Management)が、共同でトークン化されたプライベート流動性ファンドのローンチを計画していると12月10日に発表した。

ステート・ストリートは、資産運用およびカストディを中核事業とする米金融大手で、近年はデジタル資産やブロックチェーン技術を活用した取り組みを継続的に進めている。暗号資産(仮想通貨)分野では、取引事業ではなく資産運用やカストディ、トークン化など、既存の金融インフラの延長線上での活用に注力してきた。

今回計画が発表された同ファンドは「ステート・ストリート・ギャラクシー・オンチェーン・リクイディティ・スイープ・ファンド(State Street Galaxy Onchain Liquidity Sweep Fund:SWEEP)」と呼ばれる。申込および償還に決済大手ペイパル(PayPal)が発行するドル建てステーブルコイン「PYUSD」を用いることで、24時間365日のオンチェーン流動性提供を目指すという。ただし、申込・償還はファンドのポートフォリオ状況により対応可能な範囲で行われる。

SWEEPは、一定の資格要件および最低投資額を満たした適格購入者を対象とした金融商品として提供される予定とのこと。投資は私募形式で行われ、最低投資額は法人投資家が500万ドル(約7億7,900万円)、個人投資家が100万ドル(約1億5,500万円)とされている。最終的な条件は、今後提示される募集関連書類に基づくとしている。

SWEEPは、2026年初頭にソラナ(Solana)のブロックチェーン上で提供開始される予定で、その後ステラ(Stellar)やイーサリアム(Ethereum)など、他のブロックチェーンへの対応も計画されている。ブロックチェーン間の相互運用には、チェーンリンク(Chainlink)の技術を活用する意向だとしている。

また同ファンドは、RWA(現実資産)のトークン化プロジェクトを展開するオンド・ファイナンス(Ondo Finance)が、約2億ドル(約311億円)をシード投資として拠出する見込みだ。

オンド・ファイナンスの発表によると、SWEEPへの投資は同社が提供するトークン化米国債ファンド「OUSG」を通じて行われる計画だとしている。OUSGは、オンド・ファイナンスが提供する、米国短期国債などへのエクスポージャーをトークン化したオンチェーン型のキャッシュ運用商品だ。主に機関投資家や適格投資家向けに提供されているという。同社は今回の投資が、OUSGの運用先の一部としてSWEEPを位置付けるものだと説明している。

ファンドの財務保有資産のカストディは、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントの関連会社であるステート・ストリート・バンク・アンド・トラスト(State Street Bank and Trust Company)が担う。トークンの発行および管理には、ギャラクシーが提供するデジタル・インフラ基盤が用いられるという。

参考:ステート・ストリートオンド・ファイナンス
画像:PIXTA

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