米ETFへ資金流入加速、2025年は既に1兆ドル突破=ステート・ストリート

米ETFに1兆ドルの資金流入

米国を拠点とする上場投資信託(ETF)に投資家からの資金が急速に流入しており、今年これまでの流入規模は既に1兆ドル(約147.8兆円)の大台を突破した。ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント(State Street Investment Management)が10月14日明らかにした。

ステート・ストリートによると、昨年にETFへの流入規模が史上初めて1兆ドルに達したのは12月11日。今年末の流入規模は最大1兆4,000億ドルと過去最高を更新するペースとなっている。

同社の調査戦略グローバル責任者を務めるマシュー・バートロニ(Matthew Bartolini)氏は「市場の調整が起きれば流入ペースは落ちるかもしれないが、この流れ自体は止まらない」と述べた。

流入先は、S&P総合500種に連動する低コストで単純な仕組みのETFから暗号資産(仮想通貨)や金のETFまで幅広い。

EFTGIの分析では、9月末時点の米ETF業界の資産残高は12兆7,000億ドルで、資金の純流入は41カ月連続を記録した。1~9月の資産伸び率は23%近いという。

タイダル・ファイナンシャル・グループ(Tidal Financial Group)のマイケル・ベヌート(Michael Venuto)最高投資責任者は、伝統的なミューチュアル・ファンド(Mutual Fund)から流出した資金がETFへの流入を加速させ続けるとみている。モーニングスター(Morningstar)のデータからは、今年1~9月にミューチュアル・ファンドから4,810億ドルが流出したことが分かる。

ベヌート氏は連日、新たなETFの立ち上げや既存のミューチュアル・ファンドのETFへの転換を期待する資産運用担当者と協議していると明かした。

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
米ETFへ資金流入加速、今年既に1兆ドル突破=ステート・ストリート
Suzanne McGee
画像:iStocks/Funtap

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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