1inch Labs、スワップレートを最大6.5%改善する新アルゴリズム「Pathfinder」リリース

1inch Labsが新Pathfinderアルゴリズムをリリース

DeFi(分散型金融)アグリゲーター「1inch(ワンインチ)」の開発元である1inch Labs(ワンインチラボ)が、トークンスワップルートを発見するアルゴリズム「パスファインダー(Pathfinder)」の新バージョンをリリースしたと6月11日に発表した。

この新アルゴリズムは、取引を複数のDEX(分散型取引所)にわたって分割し、統合されたすべてのDEXとマーケットメーカーの市場の深さを活用することで、1inch Swapのユーザーとアグリゲートする事業者により多くの価値を提供するという。また従来よりも効率的なパスを発見し、スワップステップを統合することで集中流動性の使用を最大化し、より効率的かつ収益性が高いスワップを提供するだけなく、ガスコスト効率も向上させるとのことだ。

この改善は、同社のアナリティクスチームが開発した手法に従って実施された3万回以上のリアルタイム取引によって実証されているという。この実証によると新アルゴリズムでは、実際にスワップレートが従来より最大6.5%向上したとのことだ。

また1inch dApp内のUIも改善しており、ユーザーが取引の実行方法や関与するトークンが視覚的によりわかりやすく表示されるようになったという。この改善により、スワップがよりシンプルで安価かつ透明性の高いものになるとのことだ。

同アルゴリズムには、複数のスワップパスを組み合わせて最適なレートを確保することで収益を最大化し、ボリュームをより細かく分割してパスを複数組み合わせて使用することで流動性効率を向上させ、多様な流動性プールへのより深いアクセスを提供するという利点がある。またパスを統合することでガス効率を改善し、各スワップをより費用対効果の高いものにするとのことだ。

具体的には、同じ中間トークンを使用する複数のパスを最終的な宛先に進む前にマージすることでガス使用量を最適化するという。例えば、従来のアルゴリズムでは複数のパスにわたってスワップを分割する際に、同じ流動性を両方のパスで再利用できず、一方のパスでは収益性の低い流動性を使用することを余儀なくされていた。新アルゴリズムでは、両方のパスからの中間トークンを最終的な宛先に進む前にマージし、冗長なステップを排除することで、ガス消費を最適化し、マージされた最終パスに最も収益性の高い市場を使用することでレートを最大化するとのことだ。

1inchは、複数のブロックチェーンにわたって最適な取引レートをユーザーに提供するDeFiアグリゲーターで、現在約2,300万人のユーザーに対してシームレスな暗号資産取引体験を提供している。またセルフカストディアルウォレットや、デジタル資産管理のためのポートフォリオトラッカー、開発者ポータル、暗号資産支出を容易にするデビットカードなど、幅広いサービスを提供しているとのことだ。

参考:1inchブログ
画像:iStocks/berya113

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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