a42xが「マイナウォレット」の技術で利用者識別システム開発、シャープの生成AIと連携し

a42xがシャープと利用者識別システム開発

国内ブロックチェーン関連企業a42x(エーヨンジュウニエックス)が、同社開発の「マイナウォレット」の認証認可基盤技術を用いた利用者識別システムの開発開始を11月1日発表した。なおこのシステムは、シャープと共同開発するとのこと。

発表によると両社は、シャープ開発の生成 AI 「エッジAI」と「マイナウォレット」の認証認可基盤技術を連携し、ユーザーの本人確認(認証)や、ユーザが保有する NFT 等の情報に基づき特定の操作の許可(認可)を可能にするシステムを開発するという。

この取り組みにより、生成AIを活用したサービスにおいて、確実な本人確認、デジタル通貨を用いた支払い、ブロックチェーン上の情報に基づく権限確認等を実現できるようにするとのこと。それによりa42xは、生成AIおよびブロックチェーン技術の可能性をさらに広げるべく開発に邁進するとしている。

a42xは、デジタル認証基盤を活用したウォレットシステムおよび周辺システムを開発する企業。また同社開発の「マイナウォレット」は、マイナンバーカードをデジタルウォレットとして活用できるサービスだ。

同サービスでは、マイナンバーカードをタッチするだけでデジタルウォレットを生成。マイナンバーカードに含まれる情報から唯一無二のウォレットアドレスを導出する仕組みをもつという。またマイナンバーカードをタッチするだけで暗号資産(仮想通貨)やNFT等のデジタル資産の送受信を行うことが可能とのこと。利用者は、保有するデジタル資産を確認する際にアプリをインストールすればよいため、デジタル資産を受け取るためにアプリの事前インストールや、ウォレットの設定を行うといったことは一切不要だという。

なおa42xは、ブロックチェーン開発者コンペティションの「イーサグローバルトウキョウ2023(ETHGlobal Tokyo 2023)」にてファイナリストに選出された実績を持つ。また今年9月には、イーサリアム財団(Ethereum Foundation)が運営する助成プログラム「ERC-4337 Account Abstraction Grant Round」に採択を受けている。

「ERC-4337」は、「アカウント抽象化(AA:Account Abstraction)」を実装するイーサリアムの改善提案だ。

「アカウント抽象化」とは、一般的に利用されるアドレスであるEOA(Externally Owned Accounts)のようにスマートコントラクトを直接操作できるようにする実装のこと。「アカウント抽象化」を利用するとユーザーは、ガス代を任意のトークンで支払うことや、簡単に複数の端末でアドレスを共有できるなど多くの利点がある。

関連ニュース

参考:a42xシャープ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Panuwat-Sikham,antoniokhr

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【1/17話題】トランプ新政権が暗号資産を国家優先事項に、ヴィタリックがSoneiumの対応に好意的意見など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

Napier Labs、利回りトークン化プロトコル「Napier Finance v2」の追加情報を公開

大手DeFi(分散型金融)プロトコル「カーブファイナンス(Curve Finace)」の創業者らが出資するなどで注目を集めるDeFiプロジェクト「ネイピアファイナンス(Napier Finance)」の主要開発元「ネイピアラボ(Napier Labs)」が、新プロトコル「ネイピアファイナンスv2(Napier Finance v2)」についてのブログを1月15日に公開した

ソラナDEX「Jupiter」の「JUP」トークンが2回目のエアドロへ、割当チェッカー公開

分散型取引所(DEX)「ジュピター(Jupiter)」の独自トークン「JUP」が、2回目のエアドロップ(無償配布)で合計7億JUP(約900億円)配布される。またエアドロップ割り当て数を確認できるチェッカー機能が公開された。「ジュピター」の公式Xアカウントで1月16日発表されている

マレーシア、暗号資産・ブロックチェーンの法律導入を検討

マレーシアのアンワル・イブラヒム(Anwar bin Ibrahim)首相が、アブダビ政府および大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)と会談し、マレーシアにおいて暗号資産やブロックチェーン技術に関する法律の導入を検討していると現地メディア「ニュー・ストレーツ・タイムズ (New Straits Times)」が1月14日報じた