UBS、イーサリアム活用のトークン化ファンドの試験運用を開始

UBSがトークン化ファンドの試験運用を開始

大手資産運用会社UBSアセット・マネジメント(UBS Asset Management)が、変動資本会社(Variable Capital Company:VCC)によるトークン化されたファンドにおいて、初の試験運用を開始したことを10月2日発表した。

VCCは投資ファンド向けの会社形態のひとつであり、資本の柔軟な活用や構造の自由度の高さ、さまざまな種類のファンドに適用可能であること等が主な特徴として挙げられる。

今回試験運用を開始したトークン化ファンドは、UBSアセット・マネジメントのトークン化サービス「UBSトーカナイズ(UBS Tokenize)」によりトークン化を行っているという。またイーサリアム(Ethereum)のパブリックブロックチェーンが活用されているとのことで、ファンドの加入や償還のテストを行っていくとのこと。

なお発表によるとこのファンドは、シンガポール金融管理局(MAS)が主導する業界共同イニシアチブ「プロジェクト・ガーディアン(Project Guardian)」の一環として、さまざまな「現実世界の資産」をオンチェーンに持ち込むために設計された、より範囲の広いVCCの一部とのことだ。

なお「プロジェクト・ガーディアン」は、MASが昨年5月より推進するプロジェクト。ホールセールの資金調達市場の効率化と流動性向上を目的とした、トークン化債券・預金の機関投資家間での取引可能性などを検討している。日本の金融庁もオブザーバーとして同プロジェクトに参加している。

UBSアセット・マネジメントのシンガポール&東南アジア担当責任者であるトーマス・カエギ(Thomas Kaegi)氏は「これは、債券や仕組債のトークン化におけるUBSの専門知識を基に、ファンドのトークン化を理解する上で重要なマイルストーンとなる。この探索的イニシアチブを通じて、私たちは伝統的な金融機関やフィンテック・プロバイダーと協力し、顧客のために市場の流動性と市場アクセスを改善する方法を理解する手助けをする」とコメントしている。

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参考:UBS
デザイン:一本寿和
images:Reuters

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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