パンケーキスワップ(CAKE)、イーサリアムL2「Arbitrum One」に展開

パンケーキスワップがArbitrum Oneに展開

大手DEX(分散型取引所)パンケーキスワップ(PancakeSwap)の3つ目のバージョン「パンケーキスワップv3」が、イーサリアム(Ethereum)のレイヤー2スケーリングソリューション「アービトラムワン(Arbitrum One)」上にローンチされた。パンケーキスワップが8月10日発表している。

パンケーキスワップは、これまでBNBチェーン、イーサリアムメインネット、アプトス(Aptos)、ポリゴンzkEVM(Polygon zkEVM)、zkシンクエラ(zkSync Era)上にローンチされており、「アービトラムワン」はパンケーキスワップが利用できる6つ目のメインネットとなった。

なお「アービトラムワン」のTVL(総預かり資産額)は約8,600億円(約59.4億ドル)で、L2ネットワークとしては最も大きな市場を持っている(8/12 L2beat調べ)。

また「アービトラムワン」でのパンケーキスワップの利用は、タスクのクリアにより記念NFTが獲得できる「トラバース・ザ・トレジャーアイランド(Traverse the Treasure Islands)」イベントの対象となるとのこと。同イベントは、web3クレデンシャルデータネットワーク「Galxe」にて開催されているとのことだ。

「パンケーキスワップv3」は、v2に比べてトレーダーの取引手数料が最大25倍低くなる他、リクイディティプロバイダー(流動性供給者:LP)は今までと同額の預金でも数倍の手数料が得られるという特徴を持つDEXだ。

「パンケーキスワップv3」は、大手DEX「ユニスワップv3」にも採用されている取引手数料を変動値にする「マルチプルフィー(Multiple Fee)」を導入している。これにより、v2では0.25%の一律であった取引手数料が、V3では0.01%、0.05%、0.25%、1%の4つの異なる取引手数料が設定できるようになっている。

ちなみにパンケーキスワップは7月31日、0.01% および 0.05%が科せられた取引ペアの利用で得られた手数料収入のうち5パーセントをパンケーキスワップが発行するネイティブトークン「CAKE」用のステーキングプール「CAKEプール」の参加者に分配することを発表した。

アービトラム(Arbitrum)とは?

「アービトラム」はイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2スケーリングソリューション。同ネットワークでは、「オプティミスティックロールアップ(Optimistic Rollups)」を採用することでイーサリアムの安全性を保ちつつオフチェーンでの高速処理を実現している。

「ロールアップ」とは、元となるブロックチェーンのセキュリティなどを活用しながら、ガス代(ネットワーク手数料)やネットワークの混雑解消を図るスケーリング技術のこと。「オプティミスティックロールアップ」では、正当性の検証方法をレイヤー1(イーサリアム)に提出されるデータはすべて正当なものであるという楽観的(オプティミスティック)な前提に基づいて検証を行う手法にて、スケーラビリティを確保している。

なおアービトラムでは、「アービトラムワン(Arbitrum One)」および「アービトラムノヴァ(Arbitrum Nova)」の2つのネットワークを展開している。

「アービトラムワン」はアービトラムのパブリックなメインネットであり、誰でもバリデーターとなることができる仕組みとなっている。一方で「アービトラムノヴァ」は選定されたバリデーターのみが参加する許可型のメインネットとなっており、厳密な分散性を達成することはできないが、その分低い手数料での利用を可能にしている。

そのような特性から「アービトラムワン」はDeFi(分散型金融)及びNFT向けチェーン、「アービトラムノヴァ」はゲーム及びソーシャルアプリに特化したチェーンとして取り扱われるケースが多い。

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参考:パンケーキスワップブログL2beat
デザイン:一本寿和
images:iStocks/SiberianArt・Who_I_am

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

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