アルゼンチン当局がワールドコインを調査、生体認証データ取扱いについて

アルゼンチン当局がワールドコインを調査

アルゼンチン公共情報アクセス庁(AAIP)が、ワールドコイン財団(Worldcoin Foundation)が行っている個人データの処理について、セキュリティとプライバシーの規制に準拠していることの確認を目的とした調査を開始したことを8月8日に発表した。

ワールドコイン財団は、暗号資産(仮想通貨)プロジェクト「ワールドコイン(Worldcoin)」の管理者としてエコシステムが自立するまでのサポートを行う団体だ。

アルゼンチンにおいて個人情報を取り扱うデータ処理の責任者は、個人情報保護法の規定に従いデータベースをAAIPに登録のうえ、データ処理ポリシーに関する情報を提供し、機密データの収集目的とデータの保存期間を示す必要がある。

今回行われる調査では、個人データの収集・保管・使用に関連するプロセスと慣行を分析し、法律で定められたプライバシーの権利への影響を特定するとのことだ。

なお「ワールドコイン」の個人情報についての問題は、アルゼンチン以外からも注目されている。英国のデータ規制機関の情報コミッショナーズ・オフィス(ICO)は7月25日、「ワールドコイン」を調査すると発表した。他にもフランス、ドイツの当局も「ワールドコイン」について調査を行っているとの報道が出ている。

またケニア内務省は8月2日、政府機関が公共の安全に対する潜在的なリスクを評価する期間を設けるためケニア国内での「ワールドコイン」の活動を一時停止したと発表。その後ケニア警察が「ワールドコイン」のナイロビ倉庫を強制捜査したことを現地メディアが報じている。

「Worldcoin」は、AIチャットボットサービス「ChatGPT」などの人工知能で知られるOpenAIの創業者サム・アルトマン(Sam Altman)氏が、物理学者のアレックス・ブラニア(Alex Blania)氏と共に開発を進めるプロジェクト。7月24日に正式ローンチした。

同プロジェクトは「オーブ(Orb)」と呼ばれるボール状のデバイスで網膜をスキャンし、各人それぞれの虹彩の特徴をデジタルコードに変換することで個人を識別する「World ID」を発行する。現在このスキャンは無料ででき、スキャンしたユーザーは現在無料の暗号資産「Worldcoin(WLD)」を受け取れる。この「WLD」の配布により、ベーシックインカム実現も計画されているという。

関連ニュース

参考:アルゼンチン政府
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Irina-Shibanova

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

合わせて読みたい記事

【4/30話題】香港でBTCとETHの現物ETFが取引開始、EIgenlayerの「EIGEN」エアドロ量が確認開始

香港証券取引所、ビットコインとイーサリアム現物ETFの取引開始、EIgenlayerが独自トークン「EIGEN」リリースへ、エアドロップ割り当て量の確認開始、フィンシアとクレイトンの統合チェーンが6月末ローンチへ、名称は「kaia(KAIA)」に、バイナンス、日本円取引ペアにADA・SHIB・SOL・XRP追加、米マイクロストラテジーがビットコイン追加購入、保有総数214400BTCに、Wasabi WalletとPhoenix Walletが米ユーザーブロックへ、規制上の懸念からか、マジックエデン、コインベースのイーサL2「Base」に対応、米決済ブロック、Square加盟店が売上を「BTC」で受取り可能に