セキュリタイズ、デジタル資産証券の発行を米国に続き欧州で開始。アバランチで

Securitizeがデジタル資産証券の発行を欧州で開始

デジタル証券プラットフォーム提供の米セキュリタイズ(Securitize)が、スペインのヘルスケアリート(不動産投資信託)であるマンシピS.A.(Mancipi S.A.)の株式をデジタル資産証券として、アバランチ(Avalanche)上で発行したことを7月27日発表した。

マンシピS.A.は、位置情報と地理空間データを利用して投資機会の特定や取得、開発をし、スペインの医療分野における商業用不動産に投資している会社だ。

今回のデジタル証券発行によりマンシピS.A.は、約227億円(1億5000万ユーロ)の資金調達を目指すとのこと。なおトークン化された株式の流通取引は今年9月に開始予定だという。

発表によるとセキュリタイズによるこの取り組みは、スペイン証券取引委員会(CNMV)の規制下で実施されており、欧州におけるトークン化された証券の発行は、セキュリタイズが初とのこと。

なおセキュリタイズは昨年6月より、CNMVが主導するデジタル資産証券のテスト環境に参加しており、今秋後半には欧州連合(EU)における分散型台帳技術(DLT)パイロット制度に基づいて、トークン化された株式の取引と決済を促進するとのことだ。

またセキュリタイズは、スペイン証券取引委員会の要件に合致した株式発行や取引、決済サービスを実施した後、スペインと欧州連合(EU)で証券ライセンスを取得する予定とのこと。

セキュリタイズは、欧州におけるトークン化された証券の発行開始について「欧州の企業がトークン化された株式を発行できるようになることは、企業による資金調達能力を拡大し、個人投資家が民間資本市場で生み出された富にアクセスできる重要な一歩である」と発表にて説明している。

セキュリタイズは昨年9月にも、アバランチ(Avaranche)ブロックチェーン上で、証券をトークンとして発行している。この際は、米プライベートエクイティ大手KKRのヘルスケア戦略的成長ファンドII(KKR’s Health Care Strategic Growth Fund II)の一部の持分がトークン化された。

なおセキュリタイズのデジタル資産運用部門セキュリタイズ・キャピタルが同ファンドを運用し、KKRのヘルスケア成長株投資戦略へのエクスポージャーを提供していくと発表されていた。

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参考:Securitize
images:iStocks/BlackSalmon

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一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
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