イーサL2「オプティミズム(OP)」、スーパーチェーンに向け「OP Mainnet」に名称変更

「Optimism」が「OP Mainnet」に名称変更

イーサリアム(Ethereum)のレイヤー2スケーリングソリューションである「オプティミズム(Optimism)」の名称が、「OPメインネット(OP Mainnet)」に変更されたことが6月24日発表された。

この名称変更は、「オプティミズム」が掲げる目標である、多数の「スーパーチェーン」を作り出すことを反映したものである。この「スーパーチェーン」は、オープンソースのブロックチェーン開発ソフトウェア「OPスタック(OP Stack)」採用のレイヤー2ブロックチェーンネットワークを指している。

「OPスタック」は、「OPメインネット」の開発元であるOPラボ(OP Labs)が提供するソフトウェアである。開発者はこのソフトウェアを用いることで、「オプティミスティックロールアップ(Optimistic Rollups)」を採用した独自のレイヤー2ブロックチェーンを立ち上げられる。

なお大手暗号資産(仮想通貨)取引所であるコインベース(Coinbase)は、「OPスタック」を利用して独自ブロックチェーン「ベース(Base)」を開発している。今年2月にテストネットを公開している。

またNFTミントプラットフォーム「ゾラ(ZORA)」も「OPスタック」を採用したL2ブロックチェーン「ゾラネットワーク(ZORA NETWORK)」を先日公開している。

OPラボが掲げる「スーパーチェーン」構想は、これらのOPスタックを採用したブロックチェーンをシームレスに接続し、イーサリアムのエコシステムにおける拡張性と相互運用性の強化を目指すものだ。

なお「OPメインネット」では、イーサリアムのレイヤー2スケーリングソリューションとして、ネットワーク上のトランザクションを集約してイーサリアムへ格納している。

「OPメインネット」が採用するスケーリング技術「オプティミスティックロールアップ」では、正当性の検証方法をレイヤー1(イーサリアム)に提出されるデータはすべて正当なものであるという「楽観的(オプティミスティック)」な前提に基づいて検証を行う手法にて、スケーラビリティを確保している。

なお「ロールアップ」とは、元となるブロックチェーンのセキュリティなどを活用しながら、ガス代(ネットワーク手数料)やネットワークの混雑解消を図るスケーリング技術のことだ。

ちなみに現在の「OPメインネット」のTVL(預かり総資産額)は、L2の中でアービトラムワン(Arbitrum One)に次いで2番目の22.5億ドルとなっている(6/26 L2BEAT調べ)。

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デザイン:一本寿和
images:iStocks/royyimzy・dalebor

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
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