イーサL2「Optimism(OP)」、初のアップグレード「Bedrock」が3月実施で提案

Optimismの「Bedrock」アップグレードが3月実施の提案

イーサリアム(Ethereum)のL2(レイヤー2)スケーリングソリューション「オプティミズム(Optimism)」が、同ネットワーク初のアップグレードとなる「Bedrock(ベッドロック)」の実施時期を決定するための提案を2月2日に発表した。

この提案が承認されると日本時間3月16日の2:00を目安に「Bedrock」が実施されることになる。

「オプティミズム」は「オプティミスティックロールアップ(Optimistic Rollup)」という技術を採用したイーサリアムのL2ネットワークであり、イーサリアムのスケーリング問題を解決するために利用されている。

「オプティミズム」によると「Bedrock」アップグレードはハードフォークを伴うものであり、開始してから完了するまでに4時間ほど必要であるという。またアップグレード中は一時的に従来のネットワークでの入出金や取引は停止されるとのこと。

前述したように「Bedrock」アップグレードは「オプティミズム」の初のアップグレードであり、多くの変更含んでいる。具体的にはブロックの生成タイミングの変更や、L1へのデータ送信のコストダウン、入金に必要な時間の短縮などがある。

また、これまでイーサリアムに実装されていながらも「オプティミズム」に導入されていなかった、手数料に関する改善案「EIP-1559」やチェーンの再編成などの機能も実装される予定だ。これにより「オプティミズム」はイーサリアムと同じ設計に近づくという。

すでに「オプティミズム」のGoerli(ゴエリ)テストネットではアップグレードに成功しているが、重大なセキュリティリスクが発見された場合やコミュニティへの周知のために、メインネットでの実装は3月が提案されている。

レイヤー2は2023年に入ってから需要が急激に増加しており、オプティミズムのトランザクション数と、同じくレイヤー2スケーリングソリューションのアービトラム(Arbitrum)でのトランザクション数と合わせた数は、1月12日にイーサリアムのトランザクション数を初めて上回った。

またイーサリアムの創業者であるヴィタリク・ブテリン(Vitalik Buterin)氏も、2023年はL2で利用される技術のロールアップが重要なマイルストーンに到達するとの意見を示している。

関連ニュース

米サークル「USDC」、クロスチェーン転送とArbitrum、Optimism、NEAR、Polkadot、Cosmosにネイティブ対応へ

OpenSea、イーサリアムL2「Optimism」基盤のNFTサポート開始

DEXのCurve、イーサリアムL2のOptimismに100万OP配布を申請

FTXグローバル、イーサリアムL2「Optimism(OP)」を先物で取扱開始

イーサリアムL2のOptimism、OPトークンのエアドロップ開始

参考:フォーラムDOC
デザイン:一本寿和
images:iStock/dalebor

関連するキーワード

#OP

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

合わせて読みたい記事

米DTCC子会社DTC、SECからノーアクションレター取得。規制下のトークン化サービス検証へ

米国の金融市場インフラを担うデポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング・コーポレーション(Depository Trust & Clearing Corporation:DTCC)が、子会社であるデポジトリー・トラスト・カンパニー(Depository Trust Company:DTC)について、米証券取引委員会(SEC)の取引市場部門スタッフからノーアクションレターを取得したと12月11日に発表した

スーパーステートがトークン化株式の直接発行プログラム公開、ソラナとイーサリアムに対応

金融テクノロジー企業のスーパーステート(Superstate)は、イーサリアム(Ethereum)とソラナ(Solana)のブロックチェーン上でトークン化された株式を、米SEC(証券取引委員会)登録の公開企業(上場企業を含む)が直接発行できる新プログラム「ダイレクト・イシュアンス・プログラム(Direct Issuance Programs)」を12月10日に発表した