USDCのサークル、仏でデジタル資産サービス提供のライセンス申請、欧州戦略の一環で

サークル、仏デジタル資産サービス提供ライセンス取得目指す

米ドルステーブルコイン「USD Coin(USDC)」を発行する米サークル(Circle Internet Financial)が、フランスでデジタル資産プロバイダー取得へ向けた許認可申請を行ったと3月21日発表した。

サークルは現在、フランスの金融規制当局の金融市場庁AMF(Autorité des marchés financiers)とフランス健全性監督破綻処理機構(ACPR)の要項に基づき、認可電子マネー機関(demande d’agrément en qualité d’établissement de monnaie électronique)と、登録デジタル資産サービスプロバイダー(DASP)(Demande d’enregistrement en qualité de prestataire de services sur actifs numériques)を申請したという。サークルはAMFから完全な承認を得ることを目指しているようだ。

この動きはサークルの、フランスをハブとしてヨーロッパ事業拡大を目指す活動の1つだという。またサークルは、ユーロ建てのステーブルコインEUROCを、暗号資産市場規制法案(MiCA)に適合させたい意向だ。

MiCAは昨年10月5日、欧州理事会にて可決された新法だ。MiCAは、EU(欧州連合)の暗号資産サービスプロバイダーに向けて包括的な暗号資産市場規制を示す法案で、この法案が施行されると国内のDASP登録手続きがより厳しくなるとみられている。なお、早ければ2024年初頭より制定される予定だ。

サークルの最高戦略責任者兼グローバルポリシー責任者であるダンテ・ディスパルテ(Dante Disparte)氏は「サークルは、欧州市場における規制当局との関係強化に取り組んでおり、そのためにはフランスでの事業展開が重要」とし「フランスにおける当社の製品群の適用を拡大し、個人および企業に、より安全で迅速、かつ経済的な価値交換手段を提供するため、AMFおよびACPRと引き続き協力する」とコメントしている。

フランスのデジタル資産サービスプロバイダーライセンス認可状況

現在フランスにおいてDASPに登録申請をしている企業は、大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)、大手保険会社アクサの投資会社であるアクサ・インベストメント・マネージャーズ(Axa Investment Managers)、仏メガバンクのソシエテ・ジェネラル (Société Générale)などだ。

なお欧州においてのDASP取得は、昨年5月のバイナンスが初の事例となった。

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参考:サークル
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Максим-Ивасюк・Thinkhubstudio

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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