米司法省ら、バイナンスUSのボイジャー買収案に控訴状提出

ボイジャー買収提案に対し控訴状を提出

米司法省の破産監視機関である米国管財人局とニューヨーク州南部地区連邦検事局が、バイナンスUS(Binance.US)のボイジャーデジタル(Voyager Digital)買収提案について承認されたことを不服とし、米破産裁判所へ控訴状を3月9日に提出したようだ。ロイターが11日に報じた。

なおバイナンスUSによるボイジャー買収提案は、3月7日に米連邦破産裁判所によって承認されたばかりだ。

今回の控訴理由は詳しく説明されていないが、米国管財人局と連邦判事局の弁護士は、ボイジャーの破産計画に関する公聴会で、ある規定に反対している。その規定はボイジャーが盛り込んだもので、破産中の行動から生じる法的申し立てから従業員を保護するためのものだという。

裁判を担当するマイケル・ワイルス(Michael Wiles)判事の命令では保護範囲が広範に記述されているため、ボイジャーの不正行為が後に発覚した場合、規制当局による強制措置や刑事告訴が妨げられる可能性があると、管財人局らは反対していたとのことだ。

これに対しワイルス判事は、ボイジャーが裁判所承認を得た上でバイナンスUSへの売却を実行したことでボイジャー及びその従業員が罰せれるべきではないと反論。もし司法省や政府機関が破産に関する不正行為の証拠を持っていたのであれば、法廷で提示すべきだったとも述べているという。

なおワイルス判事は3月2日の審問で、米証券取引委員会(SEC)からの「バイナンスUSはアメリカで未登録の証券取引所運営している可能性がある」という異議申し立てについて「証拠不十分」として却下している。

今後について

同買収提案が承認された際、ボイジャーの財務アドバイザーは、買収にあたりバイナンスUSの規制遵守状況・顧客預金の安全性に関する課題を検討するため、最大で4週間が必要だとしていた。

もし承認された買収提案が正式に決定すれば、バイナンスUSは、ボイジャーへ現金2000万ドル(約27億円)を支払い、ボイジャーユーザーから預かっていた暗号資産を引き継ぐことになる。

ボイジャーは、TerraUSDとLunaが暴落し、暗号資産業界に衝撃を与えた数カ月後の昨年7月に破産を申請。昨年12月に、同社資産の売却先として、バイナンスUSを選択したと発表していた。なおボイジャーは当初、FTXトレーディングに資産を売却する予定だったが、昨年11月にFTXが顧客の出金騒動と詐欺疑惑で倒産し、創業者のサム・バンクマン=フリード(Sam Bankman-Fried)氏が逮捕されたため、この取引は白紙になっていた。

なおバイナンスUSは、拠点が米国にあり、親会社のバイナンス(Binance)からは完全に独立した存在だと主張している。なおバイナンスは、米国検察当局によるマネーロンダリング調査の対象になっている。

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デザイン:一本寿和
images:iStock/AndreyPopov・sumkinna

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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