メインネットローンチの「Aptos(APT)」、トークノミクスに懸念広がる

アプトスのトークノミクスに懸念広がる

アプトス財団(Aptos Foundation)が、L1ブロックチェーンアプトス(Aptos)のメインネットローンチを10月18日に発表した。ローンチと同時にFTXやバイナンスなどの複数の取引所への上場決定が発表されたものの、アプトスのトークノミクスをめぐり懸念が広がっている。

アプトス財団はメインネットローンチに伴い、トークンの配布割合や今後どのようにトークンを分配していくかを示す、トークノミクスの概要を17日に発表。初期供給量は10億枚で、そのうち51%をコミュニティに、19%をコア開発者に、16.5%をアプトス財団に、13.5%を投資家に割り当てるとのこと。

しかしコミュニティへの割り当てとされている51%のうち41%分はアプトス財団が、10%分はアプトス・ラボ(Aptos Labs)が保持し、今後10年をかけてマイルストーンにしたがって配布を進める予定としている。つまり現時点ではコミュニティへの配布がほとんど行われていないということになる。

したがって、初期供給量の大部分はアプトス財団や投資家、開発者などの関係者が保有することになる。このような状況を受け、アプトスの中央集権性に対する懸念が広まっている。

なお、現在は初期供給量のうち8割がステーキングされているとのこと。ステーキング報酬は年率7%からスタートし、毎年1.5%ずつ減少する予定とのことだ。

アプトス財団はトークノミクスについての詳細な説明を近日中に公開するとしている。

アプトスとは

アプトスはFacebook(現Meta)社が主導していたDiemブロックチェーンの開発者らによって立ち上げられたプロジェクトである。その特徴としては、コンセンサス・アルゴリズムにPoSを採用している点やFacebookによって開発されたプログラミング言語「Move(ムーブ)」を用いたスマートコントラクトに対応している点などが挙げられる。

またアプトスは今年に入り、複数回の資金調達を行っている。FTXベンチャーズ(FTX Ventures)やバイナンス・ラボ(Binance Labs)、a16zクリプト(a16z crypto)、コインベース・ベンチャーズ(Coinbase Ventures)などが出資に参加しており、合計調達額は3.5億ドル(約430億円)を超えている。

アプトスのメインネットローンチと同日にバイナンス、FTX、コインベース、フォビ(Huobi)など複数の取引所がアプトス(APT)の上場を発表した。バイナンス、FTXでは日本時間19日午前10時より取引を開始している。その他の取引所もAPTの流動性を確保でき次第取引を開始するとしている。

関連ニュース

レイヤー1「アプトス(APT)」メインネットローンチ、元フェイスブックDiem開発メンバーら

「Aptos(APT)」がコインベース、バイナンス、FTXに上場へ

バイナンスラボ、レイヤー1ブロックチェーン「Aptos」に追加出資

L1ブロックチェーン開発「Aptos」、FTXやJump Cryptoらから約204億円調達

「Aptos」がa16zらから約230億円調達、創業者はDiemチームメンバーら

参考:Aptos Foundation
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Myvector

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

小俣淳平

「あたらしい経済」編集部
一橋大学2年生
真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

「あたらしい経済」編集部
一橋大学2年生
真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

合わせて読みたい記事

【12/1話題】KyberSwapのハッカーが完全支配を要求、マイクロストラテジーが880億円相当のBTC購入など

KyberSwap事件のハッカー、報奨金の取引条件として同社完全支配を要求、米マイクロストラテジー、880億円相当のビットコイン追加購入。合計保有数174,530BTCに、グレイスケール、現物BTC投資信託「GBTC」の運用効率化で契約更新、積水化学、蘭ブロックチェーントレーサビリティ「サーキュライズ」と業務提携、ワームホールが約331億円の資金調達、Wormhole Labs設立も、デジタル資産投資プラットフォームのFasset、ドバイでVASPライセンス取得、アニモカブランズが「オープンネットワーク」エコシステムに出資、TON最大のバリデータに、IoT向けDLTプラットフォーム「IOTA」がアブダビに財団設立、約148億円の資金提供も、バイナンス、BUSDのサポートを12月に終了へ

Sponsored

IoT向けDLTプラットフォーム「IOTA」がアブダビに財団設立、約148億円の資金提供も

IoT向け分散型台帳(DLT)プラットフォーム「アイオータ(IOTA)」が、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビに「アイオータ・エコシステムDLT財団」を設立したことを11月29日発表した。なお同財団はアブダビ・グローバル市場(ADGM)に登録された初の初のDLT(分散型台帳)に関する財団とのこと

アニモカブランズが「オープンネットワーク」エコシステムに出資、TON最大のバリデータに

アニモカブランズ(Animoca Brands)が、メッセージングアプリ「テレグラム(Telegram)」開発の分散型プラットフォーム「オープンネットワーク(The Open Network:TON)」の最大のバリデータとなり、TONエコシステムのミニアプリ「トンプレイ(TON Play)」へ出資したことを11月28日発表した