リップル社、「米ドル連動ステーブルコイン」を年内に発行する計画

ステーブルコインローンチへ

リップル社が、米ドルにペッグ(価値の維持/固定)されたステーブルコインを今年中にローンチする計画を4月4日発表した。

発表によれば、同ステーブルコインは米ドル預金、短期米国債、その他の現金同等物によって100%裏付けられるとのこと。 また、第三者の会計事務所によって監査され、リップル社は月次透明性レポートを発行するという。

また同ステーブルコインのローンチ後は、まずXRP Ledger(XRPL)とイーサリアム(ETH)ブロックチェーンで利用可能になり、徐々に追加のブロックチェーンや分散型金融(DeFi)プロトコルやアプリに拡張する予定とのことだ。

リップル社は声明の中で、現在1500億ドル以上の価値があるステーブルコイン市場は、2028年までに2兆8000億ドルに急増する見込みだと述べている。

リップルは同社発行のステーブルコインのメリットとして「エンタープライズ・グレードの提供」、「コンプライアンスの重視」、「分散型取引所(DEX)の流動性への貢献」、「透明性と信頼性の高さ」 、「マルチチェーン互換性」を挙げている。

同社事業部門責任者のモニカ・ロング(Monica Long)氏は、「XRP Ledgerとイーサリアムでのステーブルコインの発行は、複数のエコシステムにわたる機関投資家やDeFiのユースケースに新たな機会をもたらす極めて重要なエントリーポイントとして機能する」とし、「DEX(分散型取引所)や自動マーケットメーカーを含むXRP Ledgerのネイティブ機能は、XRPをブリッジ資産として利用するために構築された。 信頼できるステーブルコインをXRPLに導入することで、より多くの導入と開発が促進され、活気のあるエコシステムに貢献する」と述べている。

米国では規制当局が、ステーブルコインを保有者が急ぎで従来の法定通貨に戻そうとした場合に、そのステーブルコインの準備金が急速に流出する可能性があると銀行に警告している状況がある。

なおステーブルコインでトップの時価総額を誇るテザー(Tether)社発行のドルペッグのステーブルコイン「USDT」は、先月3月に発行量が1,000億ドル(約15.4兆円)を超えたことが報告されている。

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参考:発表
images:iStocks/MARHARYTA-MARKO・sumkinna

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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