テザー社発行の米ドルステーブルコイン「USDT」、流通量1000億ドル突破

USDTの流通量が1000億ドル突破

テザー(Tether)社発行のドルペッグのステーブルコイン「USDT」の発行量が1,000億ドル(約15.4兆円)を3月4日に超えた。同社ウェブサイトでその数字は公開されている。

同サイトが最終更新した3月4日23:30(世界協定時)時点で「USDT」の総資産は105,467,356,357.52ドルと表記されている。なおテザー社は「USDT」を含めたその他のステーブルコインに関する資産情報を公開しており、その数字を1日1回更新している。

テザー社発行の「USDT」は、1米ドルの価値を一定に保つように設計されたステーブルコイン。ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)等、他の暗号資産の価格変動にさらされることなく、暗号資産として資金を移動させる手段として広く利用されている。

なお「USDT」は、全暗号資産の時価総額でBTC、ETHに続き3位となっている。ステーブルコインではトップの時価総額を誇る。

テザー社はこの「USDT」を発行した量に見合うドルベースの準備金を保有することで、ドルとのペッグ(価値の維持/固定)をさせている。

米国の規制当局は、そのような暗号資産を保有者が急ぎで従来の法定通貨に戻そうとした場合に、そのステーブルコインの準備金が急速に流出する可能性があると銀行に警告している。

テザー社は、ニューヨーク検事総長との2021年の和解の一環として、その準備金に関する四半期報告書を2年間提供することに同意した。

最新の報告書によると、2023年末時点でテザーの準備金は630億ドルの米国債のほか、35億ドルの貴金属、28億ドルのビットコイン、38億ドルの「その他の投資」、48億ドルの「担保ローン」を保有している。

関連ニュース

参考:テザー社USDT

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Stablecoin Tether crosses $100 billion tokens in circulation (Reporting by Elizabeth Howcroft and Juby Babu)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
images:Reuters

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【11/29話題】金融庁が無登録の海外暗号資産取引所に警告、リミックスポイントが15億円で暗号資産購入を予告など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

米裁判所、「トルネードキャッシュ」に対する米国の制裁を覆す

米財務省が2022年に暗号資産(仮想通貨)のミキシングプラットフォームの「トルネードキャッシュ(Tornado Cash)」に制裁を課し、北朝鮮のハッカーやその他の悪意あるサイバー犯罪者による70億ドル以上の資金洗浄を支援したと非難したが、これは財務省の権限を越えた行動だったと米控訴裁判所は判決を下した

イーサL2「Starknet」、ガバナンストークン「STRK」のステーキングを正式ローンチ

イーサリアム(Ethereum)のレイヤー(L2)スケーリングソリューション「スタークネット(StarkNet)」で、ガバナンストークン「STRK」のステーキングが正式に開始された。スタークネットの開発等を主導するスタークネット財団(Starknet Foundation)が11月26日発表した。これはL2上で直接ステーキングを導入した初の事例とのこと