米・英・豪、ハマス関連金融事業者らに制裁措置。暗号資産送金等の幇助で

SDNリストに追加

米財務省外国資産管理局(OFAC)が、ハマス関連金融事業者らに制裁を科したと1月22日発表した。

発表によれば今回の制裁は、パレスチナのイスラム武装組織ハマスに対する第5弾の制裁措置となるという。

対象となるのは、ガザにおけるハマス系金融取引所のネットワーク、その所有者、関係者、そしてイスラム革命防衛隊コッズ部隊(IRGC-QF)からハマスやパレスチナ・イスラム聖戦(PIJ)への暗号資産送金を含む資金移動を幇助した金融ファシリテーターだ。

またOFACとともに英国とオーストラリアの当局も、ハマスの主要幹部と仲介者に制裁を課したとのことだ。

これら制裁対象となる個人・企業は、国際的な金融ブラックリストに追加されることになる。

具体的には、6つの事業体と13名の金融ファシリテーターらが大統領令に従い指定され、特別指定国民(SDN)リストに追加された。

テロ・金融情報担当のブライアン・E・ネルソン(Brian E. Nelson)財務次官は、「ハマスが、暗号資産の利用を含む様々な金融送金メカニズムを活用して、同集団のテロ活動支援のための資金を流そうとしている。財務省は同盟国やパートナーとの緊密な連携の下、ハマスとその資金提供者、国際金融インフラを標的とするため、引き続き当局を活用していく」と述べている。

発表によれば、「ハマスがガザからヨルダン川西岸に資金を不正送金する複数の方法を用いているのは、同地での徴兵や武器の購入に資金提供するため」だという。また、「ハマスがヨルダン川西岸地区とガザの両地区にあるいくつかの汚職的な両替商を直接共同利用し、テロリスト集団の資金洗浄に利用している」とも述べられている。

「少なくとも2020年以降、ハマスもまた、現金を物理的に移動させ、国境を迂回し、当局の監視を逃れるリスクを軽減する手段として、ヨルダン川西岸での活動費を支援するための資金の一部を暗号資産を使って送金している」とOFACは伝えている。

イスラエル警察は昨年10月、同国の国防省の対テロ経済戦争国家本部(MTL)、諜報機関、大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)と協力して、ハマスに関する暗号資産口座を凍結していた。

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参考:米財務省
images:Reuters

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髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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