FTX、グレースケールの「現物ビットコインETF」を約1482億円分売却=報道

破産手続きの一環で

破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXが、同社保有の現物ビットコインETF(上場投資信託)「グレースケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)」を約10億ドル(約1,482億円)分売却したようだ。米コインデスク(CoinDesk)が1月23日報じている。

なお「GBTC」は、暗号資産運用会社グースケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)が運用する現物ビットコインETF。「GBTC」は元々グレースケールが運用していたビットコイン投資信託を名称そのままにETFへ転換したものだ。SECはこの転換についての承認を拒否したが、グレースケールが起こした裁判によって、昨年8月に承認拒否を取り消すよう命じられた。

その判決後となる今月11日グレースケールは、既存のビットコイン投資信託のETFへの転換が承認されたことで、一夜にして280億ドル(約4兆円)以上の運用資産を持つ世界最大のビットコインETFを誕生させた。

同社の現物ビットコインETFは出来高で競合他社をリードしており、1月19日時点で、現物ビットコインETF承認以来、総取引量の約54%を占めていた。

ブルームバーグ・インテリジェンスのシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス(Eric Balchunas)氏がXにて共有したデータによれば、グレースケールのファンドが取引開始してから約28億ドルが売却されている。

またコインデスクの報道によれば、FTXが売却した「GBTC」は2200万株で、これは同取引所の破産手続きの一環として行われたという。

またこの件に詳しい人物によると、グレースケールの流出の大部分はFTXの破産財団が売却したものだったとのことだ。

2022年11月に破産したFTXはチャプター11(連邦破産法第11条)に基づき、資産売却等で負債の削減を行っている。

なおビットコインの価格は、現物ビットコインETFが承認されて以降、一時約48,600ドル(約720万円)まで上昇したが、記事執筆時点(2024年1月23日11:30)で約39,900ドル(約591万円)まで下落している。(コインマーケットキャップ調べ)

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参考:CoinDesk
images:Reuters

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髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
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