MakerDAO、DAIの裏付け資産5億ドル分を米国債・社債に投資へ

MakerDAO、DAIの裏付け資産5億ドル分を米国債・社債に投資

MakerDAOコミュニティが、ステーブルコインDAIの裏付け資産のうち5億ドル(約725億円)分を米国債と社債へ投資する計画を開始したことを10月6日に発表した。

DAIはMakerプロトコルによって発行・管理される米ドルペッグのステーブルコインである。MakerDAOコミュニティはMakerプロトコルを管理する自律分散型組織である。

今回の投資計画は2021年10月に議論が開始された。DAIは裏付け資産の50%以上が米ドルステーブルコインUSDCとなっているため、「裏付け資産の多様化」と「資産運用による利回り形成」を目的としてUSDCベースのDAIの一部を米国債と社債への投資へ回すという案が提起された。

この案について今年6月にコミュニティ投票が開始され、裏付け資産のうち安全水準を上回る余剰担保分(5億DAI)を8:2の割合で米国債と社債に投資する案が可決された。

投資対象となる5億DAIのうち2億5000万ドル分を資産管理会社のシグナム(Sygnum)銀行に、2億5000万ドル分を資産運用会社ベイリーギフォード(Baillie Gifford)に割り当てる計画となっている。その後それらを米ドルに変換し、ブラックロック(BlackRock)などのETFに投資する予定だ。

今週水曜から行われている投票でシグナム銀行への割り当ての可否が決定される。可決されれば、今後数日のうちに2億5000万ドルがシグナム銀行へ転送されるとのこと。その後ベイリーギフォードへの割り当てについての投票が行われる。

MakerDAOコミュニティはDAIの融資による利回り形成を目的として米ペンシルベニア州のハンティンドン・バレー・バンク(HVB)に対して約136億円(1億ドル)のDAIローンを提供することを8月23日に発表している。

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参考:MakerDAO
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Lidiia-Moor・MARHARYTA-MARKO

この記事の著者・インタビューイ

小俣淳平

「あたらしい経済」編集部
一橋大学2年生
真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

「あたらしい経済」編集部
一橋大学2年生
真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

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