アーベ、rsETH攻撃者ポジションを清算。DeFi United復旧計画が実行段階へ

AaveがrsETH攻撃者ポジションを清算

レンディングプロトコル「アーベ(Aave)」が、リキッドリステーキングトークン「rsETH」を巡るインシデントに関連し、攻撃者が保有していたアーベ上の残存ポジションの清算を実施した。日本時間5月7日に同プロトコル公式Xアカウントより発表された。

今回の対応は、アーベサービスプロバイダー主導の救済イニシアチブ「ディファイ・ユナイテッド(DeFi United)」による復旧計画の一環として実施されたものだ。同計画では、ケルプDAO(KelpDAO)が発行するrsETHの裏付け回復と、影響を受けたレンディング市場の正常化が進められている。

同プロトコルによると、清算された担保資産は、アーベDAOサービスプロバイダーで構成される指定マルチシグ「リカバリー・ガーディアン(Recovery Guardian)」へ移転されたという。

今回の一連の対応の背景には、4月18日に発生したrsETHを巡るインシデントがある。同事案では、クロスチェーン通信プロトコル「レイヤーゼロ(LayerZero)」を利用したユニチェーン(Unichain)からイーサリアム(Ethereum)へのブリッジルートにおいて、対応するソースチェーン側のバーン(焼却)を伴わない不正な受信処理が行われた。これにより本来の裏付けを伴わない約11万6,500rsETHがイーサリアム側で払い出された。

その後、攻撃者は取得したrsETHの一部を担保として、アーベやコンパウンド(Compound)など複数のレンディングプロトコルでETHを借り入れたとみられている。この結果、実質的な裏付けを持たない資産が担保として利用される状態となり、レンディング市場に不良債権リスクが生じていた。なおアーベ側は同インシデントについて、アーベのスマートコントラクトやオラクル自体が侵害されたものではないと説明している。

今回の清算は、こうした影響ポジションを整理し、攻撃者が保有していた担保資産の回収を進めるための対応となる。回収された担保は、rsETHの裏付け回復や市場不足分の補填に充てられる予定だ。これにより、裏付けのないrsETHが担保として残存する状態の解消が進み、レンディング市場の正常化につながることが期待されている。

なお、今回の復旧対応では、複数のDeFiプロトコルや関係者が支援を表明している。ライドDAO(Lido DAO)やイーサファイ(ether.fi)、ゴーレム財団(Golem Foundation)、コンセンシス(Consensys)、レイヤーゼロなどがETH拠出や流動性支援を進めている。

また、アービトラムのセキュリティ評議会は4月21日、攻撃者関連とみられるアドレスに保管されていた約30,700ETHを凍結している。

公開ダッシュボードによると、支援コミットメントを含む規模として約137,000ETHが示されている。ディファイ・ユナイテッドは、これらの取り組みによりrsETHの裏付け回復および市場正常化を進めるとしている。

 画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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