Lido DAO、rsETHインシデント巡る資金拠出提案を提出。複数プロジェクトが支援表明

Lido DAOがrsETH救済の資金拠出を提案

リキッドステーキングプロトコル「ライド(Lido)」のDAOであるライドDAO(Lido DAO)から、「ライドDAOによるrsETH救援活動への貢献:Lido DAO contribution to coordinated rsETH relief effort」と題したガバナンス提案が4月24日に提出された。

同提案では、最大2,500stETHを拠出し、リキッドリステーキングトークン「rsETH」の不足分を補填する枠組みに参加する方針が示されている。

今回の提案は、リキッドリステーキングプロトコルのケルプDAO(KelpDAO)で発生したrsETHを巡るインシデントを受けたものだ。同インシデントでは、クロスチェーンブリッジのレイヤーゼロ(LayerZero)を介した不正なメッセージが成立し、本来は送信されていないにもかかわらず、イーサリアム(Ethereum)上で約116,500rsETHが払い出されたとされる。

その後、攻撃者は不正に取得したrsETHを担保に、分散型金融(DeFi)プロトコルのアーベ(Aave)などで約99,600ETHの借り入れを行ったとみられている。一方で、アービトラム(Arbitrum)上では約30,700ETHが凍結されており、差し引きで約68,900ETHの不足が残存している状況だ。

こうした状況は、実質的な裏付けを持たない資産が担保として利用されたことで、レンディング市場における不良債権リスクを生じさせるものとなっている。今回の提案は、rsETHの不足分の補填による市場への影響拡大の防止を目的としたものだ。

なお、ライドDAOの提案文では今回の救済枠組みについて「アーベのサービスプロバイダーが主導している」と記載されている。また、アーベの公式Xアカウントでも「同サービスプロバイダーが4月18日のインシデント以降、rsETHの裏付け回復に向けた取り組みを主導している」とする声明が投稿されている。

また、リキッドリステーキングプロトコルのイーサファイ(ether.fi)でも、最大5,000ETHを拠出するDAO提案が進められている。同提案は、他のDeFiプロトコルとの連携により、rsETHの不足分を補填するとともに、レンディング市場における不良債権の発生防止を目的としている。記事執筆時点では、同提案に対する投票が実施されている。

その他にもアーベの創業者スタニ・クレチョフ(Stani Kulechov)氏が個人として5,000ETHの拠出を自身のXアカウントで表明している。

さらにゴーレム財団(Golem Foundation)が1,000ETHを拠出することを発表した。

この他、具体的な拠出額は明言されていないが、エセナ(Ethena)、インク財団(Ink Foundation)、タイドロ(Tydr0)など複数のプロジェクトが公式Xで参加表明している。またマントル(Mantle)は、同枠組みに対して融資枠を提供する提案を行っている。

こうした一連の動きは、rsETHの裏付け不足の解消を通じてレンディング市場への影響拡大を防ぐとともに、プロトコル横断での連携によりDeFi全体の安定性を維持する試みとみられる。

 

参考:ライドDAOイーサファイスタニ・クレチョフ(X)ゴーレム・ファウンデーション(X)エセナ(X) インク・ファウンデーション(X)タイドロ(X)マントル(X)余烬(X)
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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