イーサリアム財団、L1とL2の役割を再整理。差別化重視の新方針示す

L2は「フルスペクトラム」と位置付け役割分担を再定義

イーサリアム財団(Ethereum Foundation)が、イーサリアム(Ethereum)メインネット(L1)とレイヤー2(L2)の関係および役割に関する新たな見解を3月23日に公式ブログで発表した。

同財団は、イーサリアムが「一体的なシステムとしてスケールする」ことを目標に掲げ、L1とL2の役割分担を明確にした。 公式ブログではL1の役割は、決済完了(settlement)、共有状態、流動性、分散型金融(DeFi)のための「真にパーミッションレスで最大限に強靭なグローバルハブ」として機能することだと説明されている。一方、L2については、主要目的が従来の「イーサリアムのスケーリング」から、差別化された機能、サービス、カスタマイズ、Go-to-market(GTM)戦略、コントロール領域の提供へ移っていると説明されている。追加的なスケーリングも引き続き担うという。

このように、L2を一律の存在として扱うのではなく、多様な特性を持つ「フルスペクトラム」として捉えるべきだとし、L1との関係性にも幅があるとした。特定のL2はL1と緊密に統合される一方で、独自のビジネスモデルや技術特化を持つL2も引き続き重要な役割を果たすと説明されている。

また、今後のイーサリアムエコシステムについては、強いL1基盤の上に、独立しつつ相互運用可能なL2チェーンが成長する構造になるという。L2は競争しつつ協調し、L1では提供できない特殊化やカスタマイズを担うとされる。

一方で、L2の拡大は、イーサリアムL1側にとってもETH需要の創出、ネットワーク効果の拡張、決済完了および流動性レイヤーとしての地位強化などの利点があるとのこと。

今回の見解は、今年2月にイーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が自身のXアカウントで示した「L2は一律ではなく、イーサリアムとの関係性に幅がある」との問題提起と方向性を同じくする内容といえる。ただし、同氏個人の投稿を財団が正式な技術方針として整理したとまでは、今回の一次情報からは確認できない。

参考:イーサリアム財団
画像:PIXTA

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渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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