AKB48ファン対象にNFT活用の実証実験
JTB・NTTテクノクロス・ビットトレード・DHの4社が、ブロックチェーン技術を活用した「推し活×地域活性化プラットフォーム」の事業化に向けた実証実験を実施したと11月12日に発表した。
この実証実験は、9月15日に開催された「AKB48 20th Year Live Tour 2025 〜PARTYが始まるよ〜」広島公演に合わせて、「AKB48×広島寄り道イベント」としてAKB48のファンを対象に実施されたとのこと。
AKB48のファンは「ファンNFT」を事前に取得し、イベント期間中（2025年9月15日～17日）に広島の対象ショップを訪れて、コンテンツ取得用QRコードをスマートフォン等の端末で読み込むことで、限定デジタルコンテンツが獲得できる取り組みだったとのこと。
その結果、「推し活×地域活性化プラットフォーム」がファン・プロダクション・参加ショップの三者にとって有益な仕組みであり、地域活性化の効果も期待できることが実証されたとのことだ。
参加したファンを対象としたアンケートでは、94％が「次回も参加したい」と回答したという。「新しい取り組みで面白かった」「観光の参考になった」「これまで知らなかった情報に触れることができた」といった声が寄せられ、企画の魅力に対する高い評価が得られたとのこと。またプロダクションやタレント自身も、イベントを通じたファンへの波及効果をポジティブにとらえたとのことで、参加者全体の満足度向上に寄与したとのことだ。
そして参加ショップからは、「イベントを通じて新規来店のきっかけが生まれた」「新しい客層との接点が生まれた」、また一部のショップからは「実際に売上増への効果を感じられた」などの報告があり、新たな集客機会の創出にもつながったという。後の「推し」とのコラボレーションに対しても前向きな姿勢が見られ、本プラットフォームの実用化に対する期待の声も寄せられているとのこと。
さらに地域活性化に関する評価としては、参加者の96％が「広島の魅力に触れることができた」と回答し、地域への関心を高める効果も確認されたとのこと。イベント期間中、参加者は平均3店舗を回遊し、93％が店舗で買い物をしたという結果が得られ、地域経済への波及効果も期待されるとのことだ。
なお「推し活×地域活性化プラットフォーム」では、プロダクションと地域ショップのコラボレーションを実現するために、ファンが所有するNFTの組合せにより様々なコンテンツへのアクセスを制御するNTTテクノクロスの独自技術（特許出願中）を利用したという。
同技術は、Web3におけるNFTの所有証明を、Web2での「アクセストークン」の形で証明することで、Web2管理下に広がる様々なコンテンツへのアクセス制御をシームレスに行うとのこと。ファンの「推し活」による活動・購買の履歴は、NFTという信頼性の高いデータとして記録され、特定のイベントや地域に限らず、さまざまなコラボレーション企画や次回イベントの検討などに活用できるとのこと。
JTB、NTTテクノクロス、ビットトレードの3社は今回の結果を踏まえて、技術のブラッシュアップと本格運用を目指した体制づくりを検討し、さらなる実証実験やプレ商用化なども計画しながら、同プラットフォーム事業化に向けて推進していくとのことだ。