戸田建設・JTB・富士通がNFT活用の観光DXの実証実験
戸田建設・JTB・富士通の3社が、訪日外国人観光客の誘客拡大を目的とした観光DXプロジェクト「ECHIZENクエスト」の実証実験を実施すると10月7日に発表した。
同実証実験は、福井県越前市において、11月より2026年1月末まで行うとのこと。地域の魅力を最大限に引き出し、観光体験の質を高めることで、関係人口の拡大と地域活性化を目指すのが目的だという。
「ECHIZENクエスト」は、越前市内の体験工房と連携した、モノづくりを巡る体験型コンテンツとのこと。参加者は、越前和紙、越前打刃物、越前箪笥、越前漆器、越前焼などの伝統工芸や眼鏡、繊維などのモノづくり体験を通じて、越前市にゆかりのある紫式部が描かれたNFTを受け取とれるという。
このNFT技術活用の「デジタル通貨ヴィジュアルコイン」は、観光体験の証となる他、地域への支援やお土産との交換が可能なものだという。また将来的には特定地域内で利用可能な通貨やポイント制度、またNFT保有者割引や限定体験などの特典との連携も視野に入れているとのこと。
この仕組みにより、同プロジェクト参加者は、越前市を冒険するような感覚で散策し、地域文化への理解と愛着を深められるとのことだ。
なお同実証実験における、3社それぞれの役割は、戸田建設が事業全体の統括・スマートシティ基盤整備、JTBが観光商品の企画・造成、プロモーション、富士通が NFT発行・デジタル通貨ヴィジュアルコイン技術支援とのこと。
NFTとなるヴィジュアルコインを発行するブロックチェーンについて「あたらしい経済」編集部が富士通へ取材したところ、プライベート型のイーサリアム(Ethereum)を採用しているとの回答を得た。
なお富士通とJTBは、2023年より訪日外国人富裕層向け観光DXサービスの研究を共同で進めており、ヴィジュアルコインの地域活性化への応用を模索してきたとのこと。
3社はこのヴィジュアルコインで「支援金のデジタル化」や「体験証明のデジタル化」を実現することにより、地域観光の高付加価値化を目指すとのこと。今後は、デジタル技術による伝統文化保護と地域活性化のモデルケースとして、他地域への展開も視野に入れるとのことだ。