Suiがパスキーのサポート開始、シームレスなユーザーオンボーディング導入

Suiがパスキーサポートを開始

レイヤー1ブロックチェーン「スイ(Sui)」を支援するスイ財団(Sui Foundation)が、顔認証(Face ID)や指紋認証、パスコードを使用してログインや署名が可能なパスキー(Passkey)機能のサポート開始を8月7日に発表した。

この機能により、開発者はオンボーディングを簡素化でき、ユーザーはパスワードレスでのシームレスなログインが可能になる。

パスキーはスイメインネット上ですでに運用されており、ユーザーはウォレット拡張機能やシードフレーズの設定作業を必要とせずに、Face IDや指紋認証、デバイスパスワードを使用してアプリにアクセスし、トランザクションに署名できる。なお同機能はオープンスタンダードに基づいて構築されているため、主要プラットフォーム全体でサポートされている。パスキーをサポートする初のウォレットは「ニモラ(Nimora)」だ。

パスキーは、暗号学的認証情報を使用してユーザーがアプリにログインし、デバイス内蔵の認証方法を使ってトランザクションに署名できる技術だ。シードフレーズの管理やブラウザ拡張機能のインストールが不要で、モバイルアプリや電子メールアカウントへのサインインと同じ手軽さでWeb3アプリケーションにアクセスできる。

同技術はFIDO(Fast Identity Online)とW3C(World Wide Web Consortium)に支持されるオープンスタンダードであり、アップル(Apple)、グーグル(Google)、マイクロソフト(Microsoft)によって広くサポートされている。WebAuthnとデバイス生体認証を活用することで、従来の鍵をより直感的で安全な体験に置き換えることを可能にしているという。なおWebAuthn(Web Authentication)は、パスワードに頼らず公開鍵暗号を使ってウェブに安全にログインするためのW3C標準仕様。

ユーザーにとってパスキーは、現代的なアプリへのログインと同じ感覚で使用できる。ブラウザ拡張機能のインストールやシードフレーズの記録、ウォレットの使用方法を理解する必要がなく、スマートフォンの生体認証やパスコードを使用するだけでアクセス可能だ。

パスキーはデバイス間で動作し、Face IDや指紋ログインをサポートし、追加保護のためYubiKey(ハードウェア認証キー)などのセキュリティキーとの統合も可能であるとのことだ。なおクラウドで同期されることが多いため、ユーザーはバックアップフレーズを保存することもなく、アクセスを回復できるとのことだ。

スイ上のパスキーは、マルチシグウォレットなどの高度な用途もサポートしており、セキュリティと回復の強化のためパスキーとzklogin(ゼロ知識証明:ZKPを使って本人性や属性を証明する認証方式)など複数の認証要素の組み合わせが可能である。

また開発者にとってスイアプリへのパスキー統合はシンプルで軽量であり、外部ウォレットプロバイダーへの依存や、ユーザーに秘密鍵の管理を求める必要がなくなる。代わりにパスキーは、背後でWebAuthnとスイネイティブ暗号化を使用して、QRベースのクロスデバイスログイン、プラットフォームネイティブ認証、マルチシグウォレットセットアップなども可能にしている。 

参考:スイ財団ブログ
画像:iStocks/Who_I_am

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
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