チェーンリンク、戦略的LINKトークン準備金「Chainlink Reserve」ローンチ

Chainlinkが戦略的LINKトークン準備金をローンチ

分散型オラクルネットワークのチェーンリンク(Chainlink)が、ネットワークの長期的な成長と持続可能性を支援する戦略的オンチェーン準備金「チェーンリンクリザーブ(Chainlink Reserve)」のローンチを8月7日に発表した。

この準備金は、チェーンリンク標準を採用する大企業からのオフチェーン収益と、オンチェーンサービス利用からの収益を活用してLINKトークンを蓄積する仕組みだ。

チェーンリンクリザーブは、今年初めに導入されたペイメントアブストラクション(Payment Abstraction)技術を使用してオフチェーンとオンチェーンの収益をLINKトークンへの変換で構築されるという。この技術により、ユーザーは希望する形式の支払い(ガストークンやステーブルコインなど)でチェーンリンクサービスの料金支払いができ、それらが分散型取引所(DEX)インフラとチェーンリンクサービスの組み合わせを通じてプログラム的にLINKに変換される。この変換されたLINKが準備金として蓄積されるという仕組みだ。

チェーンリンクの共同創業者セルゲイ・ナザロフ(Sergey Nazarov)氏は、「チェーンリンクリザーブのローンチは、オフチェーン収益とオンチェーンサービス利用によって資金調達される戦略的LINK準備金を確立するチェーンリンクの重要な進化を示している」と述べた。また同氏は、この準備金が大規模な機関投資家によるチェーンリンク標準の採用とオフチェーン収益を、標準の成長、セキュリティ、持続可能性にどのように結び付けるかについて明確な回答を提供すると説明している。

チェーンリンクの需要はすでに数億ドルの収益を生み出しており、その大部分はチェーンリンクプラットフォームへのアクセスに対してオフチェーンで支払いを行う大企業からのものだという。

準備金はこの初期ローンチ段階ですでに100万ドル以上相当のLINKを蓄積しており、今後数か月でより多くの収益がLINKに変換され準備金に追加されるにつれて段階的に成長することが期待されている。さらにチェーンリンクは、数年間は準備金からの引き出しを予定しておらず、時間の経過とともに成長することが期待されると述べた。

なおチェーンリンクは、コミュニティが準備金の状況を把握できるよう分析ダッシュボードを作成しており、⁦reserve.chain.link⁩で確認できる。LINKの流通供給量に関する情報やイーサスキャン(Etherscan)上の準備金コントラクトアドレスも公開されている。

チェーンリンクは、ブロックチェーンを現実世界のデータや他のブロックチェーン、政府、企業システムに接続するグローバル標準として、DeFi(分散型金融)、銀行業務、トークン化された現実世界資産(RWA)、クロスチェーンなどのユースケースで幅広く利用されている。具体医的にはSwift、Euroclear、Mastercard、UBS、Aaveなどの主要な金融市場インフラ、機関、トップDeFiプロトコルに広く採用されている。

参考:chainlinkリリース
画像:iStocks/Jian-Fan

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

合わせて読みたい記事

シタデル・セキュリティーズ、トークン化証券とDeFiに取引所・証券会社規制の適用を提言。業界側から反発の声も

米大手マーケットメイカーのシタデル・セキュリティーズ(Citadel Securities)が、トークン化された米国株式を取り扱うDeFi(分散型金融)プロトコルに対しても、取引所およびブローカー・ディーラーとしての規制を適用すべきだとする意見書を米証券取引委員会(SEC)に12月2日に提出した