サークル、USDCのマルチチェーン流動性ソリューション「Gateway」発表

サークルがマルチチェーン流動性ソリューション「Gateway」を発表

ステーブルコイン発行企業のサークル(Circle)が、新たなクロスチェーン流動性ソリューション「サークルゲートウェイ(Circle Gateway)」を7月2日に発表した。

同ソリューションは、USDC保有者が複数のブロックチェーン間でリアルタイムにアクセス可能となるもの。7月にアバランチ(Avalanche)、ベース(Base)、イーサリアム(Ethereum)のテストネットでローンチ予定とのことだ。

現在のマルチチェーン環境では、ユーザーがイーサリアム上のUSDCをソラナ(Solana)などの他のチェーンで利用するためには、複雑なクロスチェーンブリッジングのプロセスを経る必要がある。このプロセスはユーザビリティを低下させ、より広範な採用を阻害する要因となっているという。

企業にとっても、決済サービスプロバイダーや取引所、クロスチェーンソルバーなどは顧客需要に対応するため各チェーンに流動性を事前配置し複数の残高を管理する必要がある。これによりしばしば過剰資金供給が発生し、資本効率の低下や運用オーバーヘッドの増加、実行遅延のコストが生じているとのことだ。

「サークルゲートウェイ」では、ユーザーがUSDCを非カストディアルスマートコントラクトにデポジットすることで、サポートされているチェーン間でリアルタイムアクセス可能な統一された残高を作成できる。これにより手動ブリッジングやサードパーティの流動性に依存する必要がなくなるという。

ユーザーにとっては、ネットワークの切り替えや、資産を手動で移動する必要なく、ワンクリッククロスチェーン体験が可能になる。企業にとっては、サポートされている任意のチェーンでジャストインタイム流動性が実現され、運用の合理化と資本効率の向上が可能になるとのことだ。

サークルは、「ゲートウェイにより、USDCへのアクセスが真に瞬時で普遍的かつチェーン非依存でありながら、ユーザーが資産の完全な所有権とコントロールを保持する体験の構築が可能になる」と述べている。また、今後他のブロックチェーンへのサポート拡大も予定されている。クロスチェーンの複雑さをユーザーから抽象化することを目指すすべての開発者を歓迎するとのことだ。

なおサークルは先月上場を果たし、時価総額が460億ドル超に急上昇し、株価は1株31ドルの新規株式公開価格から500%以上上昇している。上場後、同社は米国での国立銀行ライセンス申請を行ったと報じられており、これにより自社の準備金のカストディアンとして機能し、機関投資家顧客に代わって暗号資産を保有できるようになるとのことだ。

参考:サークルブログ
画像:iStocks/metamorworks

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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