ユガラボCEO、ApeCoin DAOの廃止と新組織「ApeCo」設立を提案

ApeCoin DAO廃止へ

ユガラボ(Yuga Labs)のCEOグレッグ・ソラノ(Greg Solano)氏が6月5日に、エイプコイン(APE)のエコシステム強化に向け、エイプコインDAO(ApeCoin DAO)の廃止と新たな管理組織エイプコ(ApeCo)の設立をエイプコインフォーラム上で提案した。この提案はエイプコイン改善提案(AIP:ApeCoin Improvement Proposal)として提示されている。

ソラノ氏は提案で「エイプコインDAOは当初こそ意欲的な試みだったが、今では遅滞と雑音、そして真剣味を欠いたガバナンス劇に成り下がった」と述べ、DAO(自律分散型組織)モデルの限界を指摘した。

エイプコインDAOは2022年に誕生し、これまでAPEの発行や管理を担ってきた。しかし、運営の非効率性や低品質な提案への資金配分が批判を招き、エコシステム全体の妨げになっていたとされる。

今回の提案では、エイプコインDAOのすべてのガバナンス権限を廃止し、過去提案されたAIPを原則無効としたうえで、選挙制度や作業グループ、フォーラムなども終了させる方針が示された。ただし、すでに実行されたAIPについては引き続き適用される。

代わりに設立されるエイプコ(ApeCo)では、ステーキング契約に対して1,125万APEの資金を確保。さらに、実行済みAIP契約を含む契約義務、管理・運営・移行にかかる費用として1,000万APEを確保し、DAOとエイプ財団が保有する残りすべての資産(APE、法定通貨および暗号資産、IP、スマートコントラクト、ドメイン、インフラなど)を引き継ぐという。

エイプコは、ユガラボが手掛けるNFTコレクション「BAYC(Bored Ape Yacht Club)」、メタバース「アザーサイド(Otherside)」、レイヤー2ブロックチェーン「エイプチェーン(ApeChain)」の3つの柱に注力し、APEエコシステムを強化するとしている。

なお今回の提案で行われているフォーラム上の投票は、正式な意思決定ではなく、あくまでコミュニティの意向を測るものである。

またユガラボは近年、保有していたNFTコレクションの知的財産(IP)を外部に売却している。2024年4月には「HV-MTL」および「レジェンズオブザマラ(Legends of the Mara)」のIPをファーアウェイ(Faraway)に売却。今年2月には「ミービッツ(Meebits)」をミーブコ(MeebCo)に、5月には「Moonbirds」「Mythics」「Oddities」をOCG(Orange Cap Games)に、それぞれ売却。さらに「CryptoPunks」は非営利団体NODE(Infinite Node Foundation)に譲渡された。

参考:ユガラボCEOグレッグ・ソラノ氏の提案
画像:iStocks/(Stanislav-Vostrikov・jauhari1

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一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

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