アンカレッジ・デジタルがRIA向け事業を取得
連邦認可の暗号資産(仮想通貨)銀行を擁するアンカレッジ・デジタル(Anchorage Digital)が、セキュリタイズ(Securitize)から登録投資顧問(RIA)向け事業「セキュリタイズ・フォー・アドバイザーズ(Securitize For Advisors:SFA)」を取得したと12月15日に発表した。取引条件は公表されていない。
RIAは、顧客の資産運用について助言を行う金融アドバイザーだ。米国ではRIAを行うにあたりSEC(米証券取引委員会)または州当局への登録が義務付けられている。RIAは顧客の利益を最優先とする受託者責任を負い、主に富裕層や機関投資家の資産運用を支援している。
今回アンカレッジ・デジタルがセキュリタイズから取得したSFAは、RIAが顧客に対し、暗号資産をポートフォリオの一部として組み入れる運用について助言を行うためのウェルスマネジメント・プラットフォームだ。2021年以降、RIA向けにフロントエンドの管理機能や暗号資産管理ツールを提供してきたとのこと。
一方、セキュリタイズは今回のSFA事業譲渡について、同社の中核ミッションである現実資産(RWA)のトークン化を可能にするインフラ構築により注力するための判断だとしている。
アンカレッジ・デジタルは今回の取得により、SFAのフロントエンド・プラットフォームやプロダクトビジョン、チームを自社に統合し、取引、カストディ、クライアント向けインターフェースを一体化したウェルスマネジメント機能の提供を目指すとしている。
公式発表によると、SFAは過去12か月で純増入金および運用資産残高(AUM)が過去最高を記録し、成長率は4,500%超に達したという。また、SFAのクライアント資産の99%は、取得前からアンカレッジ・デジタル・バンク(Anchorage Digital Bank)でカストディされていたとされる。
また、アンカレッジ・デジタルは翌12月16日にブロックチェーン・プロトコル向けにフルスタックのトークン管理ソリューションの開始を発表している。
同ソリューションは、トークン・ジェネレーション・イベント(TGE)の前後に発生するトークン配分やロックアップ、ベスティング管理といった業務の自動化を目的としているという。プロトコル運営者は単一のダッシュボード上で、割当状況やベスティング条件を管理できるとのこと。また、トークン配布後も、アンカレッジ・デジタルのカストディ環境上でトークンの保管や分配を行えるという。
アンカレッジ・デジタルは、米国で初めて連邦政府の認可を受けた暗号資産銀行を擁し、機関投資家向けに暗号資産のカストディや取引、決済などのサービスを提供してきた。今回の一連の発表により、RIA向けの資産管理支援と、プロトコル向けのトークン管理基盤の両面で、規制下における暗号資産関連サービスの提供体制を拡充するとしている。
This acquisition builds on the strong success of SFA, accelerating adoption of digital assets in wealth management.
— Anchorage Digital (@Anchorage) December 15, 2025
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参考:アンカレッジデジタル・アンカレッジデジタル
画像:PIXTA