アンカレッジが「Uniswap」のAPI採用
機関投資家向けに暗号資産(仮想通貨)の総合プラットフォームを提供するアンカレッジ・デジタル(Anchorage Digital)が、「ユニスワップ・トレーディングAPI(Uniswap Trading API)」を統合したと6月23日に発表した。
「Uniswap Trading API」は、大手DEX(分散型取引所)ユニスワップ(Uniswap)開発元のユニスワップラボ(Uniswap Labs)が提供する機関・デベロッパー向けの取引インターフェイス。ユニスワップのプロトコルをアプリやサービスに統合するために設計されている。
今回の統合により、流動性ファンド、資産運用会社、プロトコル財団、国債などの機関投資家は、アンカレッジ提供のセルフカストディウォレット「ポルト(Porto)」内で、ユニスワップのプロトコルやルーティングプロトコルのユニスワップX(UniswapX)の流動性にアクセスできるようになったとのことだ。
なおルーティングは、複数の取引所の暗号資産の価格を参照することでスワップ(交換・取引)の最適な経路を算出し、提供する作業のことだ。
アンカレッジのCEO兼共同創設者であるネイサン・マコーリー(Nathan McCauley)氏は「アンカレッジとユニスワップラボの統合によりDeFi(分散型金融)を利用する機関投資家は、セキュリティを犠牲にすることなく、暗号資産本来のスピードで業務を進めることが可能になる」とコメントしている。
アンカレッジは、米国で唯一の連邦認可を受けた暗号資産銀行「アンカレッジ・デジタル・バンクN.A.(Anchorage Digital Bank N.A.)」を中核に、シンガポール金融管理局(Monetary Authority of Singapore:MAS)からライセンスを取得した「アンカレッジ・デジタル・シンガポール(Anchorage Digital Singapore)」、ニューヨーク州金融サービス局(New York Department of Financial Services:NYDFS)からビットライセンス(BitLicense)を取得した「アンカレッジ・デジタル・ニューヨーク(Anchorage Digital New York)」、およびセルフカストディウォレット「ポルト(Porto by Anchorage Digital)」を通じて機関投資家向けサービスを展開している。
また同社は、アンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz:a16z)、GIC、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)、KKR、ビザ(Visa)といった有力機関から出資を受けており、シリーズDラウンドにおける評価額は30億ドル(現在のレートで約4,364億円)を超えている。
参考:プレスリリース
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