SecuritizeがBUIDLのERC20「sBUIDL」提供開始、アバランチDeFi「Euler」に対応

SecuritizeがERC20「sBUIDL」提供開始

実物資産(RWA)のトークン化プラットフォームを提供するセキュリタイズ(Securitize)が、トークン化ファンド「BUIDL」を元に発行するERC-20トークン「sBUIDL」を、アバランチ(Avalanche)上のDeFi(分散型金融)プロトコル「オイラー(Euler)」と統合したと5月15日に発表した。

「オイラー」との統合により「sBUIDL」トークンは、アバランチ上の借入・貸出市場において、最大92.5%のLTVで担保資産として利用可能になったとのこと。

これにより「sBUIDL」トークン保有者は、「BUIDL」ファンドから得られる日次利回りを維持したまま、USDC、USDT、AUSD、deUSDなどのステーブルコインを借り入れることが可能になるという。

また流動性インセンティブとして暗号資産(仮想通貨)アバランチ(AVAX)が、流動性インセンティブ配布プラットフォームのマークル(Merkl)を通じて配布されるとのこと。なおリスク管理は、RWAやトークン化証券のDeFi統合を支援するRe7ラボ(Re7 Labs)が担当するという。

「sBUIDL」トークンは、「BUIDL」ファンドの保有者がトークン化されたファンド持分を、セキュリタイズが提供するトークン化プラットフォーム「ヴォールト(Vault)」にロックすることで発行される、DeFi対応のERC-20トークンとなっている。

同トークンは「BUIDL」ファンドと1:1で償還可能であり、元本と累積利回りにも対応しているとのこと。これにより「sBUIDL」トークンは、DeFiネイティブな形式で、パーミッションレスなDeFiプロトコルへの統合が容易になっているという。なお「BUIDL」ファンドにとってDeFiプロトコルとの直接的な統合は今回が初とのことだ。

セキュリタイズは「sBUIDL」トークンを、伝統金融と分散型金融をつなぐゲートウェイ(入口)と位置づけており、機関投資家によるオンチェーン市場への参入に向けた重要なステップだと説明している。

なお「sBUIDL」トークンは、アバランチ基盤の他のDeFiプロトコルと連携して運用される可能性もあるとのこと。

なお「ブラックロック・米ドル機関投資家向けデジタル流動性ファンド(BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund:BUIDL)」は、米資産運用会社ブラックロック(BlackRock)により2024年3月に立ち上げられたトークン化ファンドで、総資産の100%を現金、米国財務省証券、現先取引に投資している。また同ファンドのトークン化はセキュリタイズが担当している。

「BUIDL」はこれまで、イーサリアム(Ethereum)、アプトス(Aptos)、アービトラム(Arbitrum)、アバランチ(Avalanche)、オプティミズム(Optimism)、ポリゴン(Polygon)、ソラナ(Solana)上で展開されている。なおトークン化された「BUIDL」ファンドの持分の約90%は、イーサリアム上で発行・保有されている。

参考:セキュリタイズ
画像:PIXTA

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一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

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