a16z、「2024年に暗号資産業界で期待すること」9項目を公開

a16zが2024年に暗号資産業界で期待すること

米大手ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz:a16z)が、2024年にクリプト(暗号資産・ブロックチェーンの総称)業界に期待することを12月6日公開した。

a16zが公開した「A few of the things we’re excited about in crypto(2024):私たちがクリプトに期待していることをいくつか紹介しよう(2024)」で挙げられたは次の9項目。

  • 分散化の新時代への突入
  • 未来のUXをリセットする
  • モジュラー技術スタックの台頭
  • AIとブロックチェーンの融合
  • 稼ぐための遊びが遊びと稼ぐになる(P2EがP&Eになる)
  • AIがゲームメーカーになるとき、暗号資産は保証を提供する
  • 形式的検証は形式的でなくなる
  • NFTはユビキタスなブランド資産となる
  • SNARKが主流に

以下に各項目の解説の概略を記載する。

分散化の新時代への突入

「分散化の新時代への突入」についてa16zは、「ユーザーの自由を侵害するのを防ぐためには分散化が重要である」とし、その一方でほとんどのweb3のガバナンスモデルは、民主主義やコーポレート・ガバナンスに基づく、簡素化されながらも、負担の大きいガバナンス・モデルを使用するDAO(分散型自律組織)によって運営されていると指摘。

中央集権的なシステムの効率性や安定性と比べ、分散化を達成するのは非常に困難だと述べている。

ただしここ数年は、豊富な機能を持つアプリケーションに対応できる分散化モデルや、マキャベリズム理論を取り入れたDAO手法など、分散化(分権)のベストプラクティスが数多く誕生してきていると説明。a16zは「遠くない将来、前例のないレベルの分散型調整・運用機能を持ったイノベーションを目にすることになる」と語っている。

未来のUXをリセットする

「未来のUXをリセットする」については、新たに開発されている仕組みやツールが今後1年間でクリプト分野のフロントエンドのUXをリセットし、またそのようなツールはweb3の主流化を促進するだけでなく、web2以上のUXをより良くより安全に提供できるポテンシャルを秘めていると説明されている。

その仕組みの一例として、ユーザーのデバイスで包括的にアプリやウェブサイトへのサインインを簡素化する「パスキー」の誕生が挙げられている。

このイノベーションには、アカウント自体をプログラマブルにして、管理をよりシンプル化する「スマートアカウント」や「アプリケーションへの組み込みウォレット」、第三者が鍵を預かることなくサインをサポートする「MPC(マルチパーティ・コンピュテーション)」があるとのことだ。

モジュラー技術スタックの台頭

a16zは、オープンソースのモジュール化はネットワーク効果を拡張・強化するとしており、その技術スタックの最大の利点が、パーミッションレスのイノベーションを可能にし、かつ参加者の専門化を可能にするとしている。これにより、より多くの競争を促すとのことだ。

AIとブロックチェーンの融合

a16zは、非中央集権的要素で構成されるブロックチェーンは、一部の巨大テック大手によって訓練・運用されている中央集権的なAIに対するカウンターとして最適な仕組みであると説明。暗号技術を活用することで、マルチサイドかつグローバルで、パーミッションレスな市場の形成が可能になるとのこと。

具体例として「誰もが、それを必要とする誰かのために、計算やデータセットをネットワークに提供して、対価として報酬を得られ仕組み」が挙げられている。

稼ぐための遊びが遊びと稼ぐになる

a16zは、「私たちが本当に必要としているのは、楽しくプレイしながら、ユーザーが生み出した価値を適切に獲得できるゲーム」であるとし、今後はゲーム経済の管理方法のダイナミクスも変化し続け、最終的にはP2E(Play to Earn:稼ぐために遊ぶ)が単なる流行ではなくゲームの一部になると述べている。

AI がゲームメーカーになるとき、暗号資産は保証を提供する

ゲームのストーリーや地形、ロジックがAIによって生成されAIがゲームメーカーとなった場合、AIがそのゲームを信頼できる中立的な立場として保証するために暗号技術が必要になるとのこと。AIが何らかの原因で適切に機能しなかった場合に暗号技術が診断し罰則を与える能力を持つと説明されている。

形式的検証は形式的でなくなる

スマートコントラクトの開発においては、より利用しやすい形式的検証手法が必要とされているが、この1年で従来のシステムを凌駕する開発者体験を持つツールが誕生しているとのこと。

開発者やセキュリティ組織の中で形式手法にインスパイアされたツールの採用が増えるにしたがって、スマートコントラクトは、より堅牢で、ハッキングを受けにくいものになることが期待できるとのことだ。

NFTはユビキタスなブランド資産となる

ブランドはNFTを利用して、顧客のアイデンティティやコミュニティへのコミットメントを表現・強化することや、物理的商品とそのデジタル資産を橋渡しする役割を持たすこと、熱心な顧客とともに新商品や体験を共同して創ることも可能であるとa16zは説明。

今年1年でカストディアルウォレットやL2ブロックチェーンを活用することによって取引コストも低減されるようになっており、2024年に向けNFTがデジタルブランド資産として、より多くの企業やコミュニティでユビキタス(遍在:いつでもどこでも存在すること)な存在となるための条件は着実に整っていると述べられている。

SNARKが主流に

コストやネットワークのスケーラビリティの点で限界があった計算ワークロードを検証する戦略が、SNARK(Succinct Non-interactive ARguments of Knowledge)の技術によって解決する使えるものになってきているため、SNARKによる計算効率の向上により、社会的に大きな利益をもたらす多くのユースケースが生まれるとのことだ。

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参考:a16z
images:iStocks/denizbayram

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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