コインベースがサークルに出資で「USDC」のガバナンス移行、新たなブロックチェーン対応も

コインベースとサークルが「USDC」の新たな取り組み

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)およびステーブルコイン発行企業サークル(Circle Internet Financial)が、米ドルステーブルコイン「USD Coin(USDC)」に関する両社の新たな取り組みについて8月21日発表した。

なおこの発表はコインベースCEOのブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)氏とサークルCEOのジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)氏の連名によるものだ。

発表によるとコインベースはサークルの少数株式取得による出資を行い、ステーブルコインおよび「USDC」に関するサポートを強化するとしている。

また両者が2018年に「USDC」を運営するために設立した共同企業体「センターコンソーシアム(Center Consortium)」は解散するという。これにより「USDC」の発行やガバナンスなどの発行者としての責任は、サークルへ完全に譲渡されるとのこと。コインベースはサークルへ出資することで、同社との連携を継続するとしている。

なおこれについて両社は「米国および世界中でステーブルコインに対する規制の明確化が進む中、センターコンソーシアムのような独立した統治機関の要件は不要であることに同意した」とコンソーシアム解散についての理由を語っている。

「USDC」の新たなブロックチェーン対応も

また今回両社は、9月から10月にかけて「USDC」を新たに6つのブロックチェーンでネイティブ展開することを発表している。

具体的に対応ブロックチェーンについて言及されていないが、昨年9月にはアービトラム・ワン(Arbitrum One)、オプティミズム(Optimism)、ニアプロトコル(Near Protocol)、ポルカドット(Polkadot)、コスモス(Cosmos)の5つのチェーンへの対応が発表されている。なおアービトラムについては今年6月にネイティブ対応が完了している。

またコインベースでは、独自のイーサリアムレイヤー2ブロックチェーン「ベース(Base)」を開発しており、8月9日にメインネットの正式ローンチを実施している。「ベース」について「USDC」がネイティブ対応することも可能性としてあるだろう。

そして両社は「USDC」をネイティブのままクロスチェーン転送する対応ブロックチェーンについて、最大15に増やすことも言及している。現在はサークル開発の「クロスチェーン転送プロトコル(Cross-Chain Transfer Protocol:CCTP)」により、イーサリアム(Ethereum)とアバランチ(Avalanche)、アービトラムの3つのブロックチェーン間にて「USDC」のネイティブ転送が可能になっている。

なお「USDC」は現状でイーサリアム、ソラナ(Solana)、アルゴランド(Algorand)、アバランチ、ヘデラ(Hedera)、トロン(TRON)、ステラ(Stellar)、フロウ(Flow)、アービトラムの9つのブロックチェーンにおいてネイティブサポートされている。

なおポリゴン(Polygon)についてはブリッジトークンで、現状ネイティブサポートされていないとサークルのサイトに記載がある。またコスモス(Cosmos)ネットワークのエコシステムにおいてもトークン発行プロトコルのノーブル(Noble)を介して、ネイティブ対応する予定が3月に発表されている。

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参考:コインベース
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Who_I_am

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
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