スイ財団、Sui上のDeFi構築のためのオーダーブックをローンチ

スイ財団が「ディープブック」ローンチ

Sui Foundation(スイ財団)が、分散型の集中指値注文台帳(Central Limit Order Book:CLOB)となる「DeepBook(ディープブック)」のローンチを7月12日発表した。スイ財団は、新興レイヤー1ブロックチェーン「Sui Network(スイネットワーク)」のコミュニティサポートを行う団体だ。

今回ローンチされた「ディープブック」は、「スイネットワーク」上のDeFi(分散型金融)アプリケーション全体をサポートする基盤インフラとして、スイエコシステム向けに構築されたコミュニティ所有のCLOBとなる。

なおCLOBは、店頭における指値注文(Bid注文およびOffer注文)を1つの板に集中して価格および時間優先の原則に従って付け合わせる仕組みのオーダーブックである。

ちなみにオーダーブックとは、約定されていない買い/売り指値注文のリストのこと。成行注文を最良価格で約定させるために取引所にて使用される。またBid注文は、ユーザーが買値と取引数量を指定し発注する買い指値注文のこと。そしてOffer注文は、ユーザーが売値と取引数量を指定し発注する売り指値注文のことである。

発表によると「ディープブック」によってスイの開発者は、指値・成行、その他さまざまな注文タイプをサポートするオーダーブックを介して、トークンをシームレスに交換するアプリの構築ができるようになったとのこと。

スイ財団のマネージング・ディレクターであるグレッグ・シウロウニス(Greg Siourounis)氏は「スイネットワークのユニークな並列取引能力と公開されたオンチェーンのオーダーブックを組み合わせることで、コミュニティは、ネットワーク上のすべてのDeFiプロジェクトが使用できる、ユニークで透明性が高く、スケーラブルな取引機能を構築することができた」とリリースにてコメント。

またシウロウニス氏は「ディープブックは、スイ上で構築されるすべてのDeFiツールに不可欠な金融基盤を提供する。スイネットワークに組み込まれたスケーラビリティとコンポーザビリティと相まって、ディープブックは開発者に他のネットワークでは不可能なアプリケーションを構築するチャンスを提供する」と述べ、「我々は、ネットワークを発展させ、スイを基盤とするすべての開発者をサポートするスイエコシステムのための公共財として、ディープブックの創設を支持する」と語っている。

「ディープブック」を既に活用しているスイネットワーク上のDEX(分散型取引所)Kriya Exchange(キリヤエクスチェンジ)の創設者兼プロダクト・リーダーのアディティヤ・ドウィヴェディ(Aditya Dwivedi)氏は「キリヤの究極の目標は、スイ上のDeFiの流動性へのアクセスを一箇所で提供することだ。ディープブックはエコシステムの中で最も深い流動性を提供する手段のひとつとなるため、当社のルーターに統合することが最も重要でした」とリリースにコメントを寄せている。

関連ニュース

    参考:SUI NETWORK
    デザイン:一本寿和
    images:iStocks/Максим-Ивасюк・Thinkhubstudio

    関連するキーワード

    この記事の著者・インタビューイ

    大津賀新也

    「あたらしい経済」編集部
    記者・編集者
    ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

    「あたらしい経済」編集部
    記者・編集者
    ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

    合わせて読みたい記事

    アニモカとランボルギーニ、デジタルカーを売買・所有できるプラットフォーム「Fast ForWorld」立上げ

    香港拠点のブロックチェーンゲーム開発企業アニモカブランズ(Animoca Brands)が、伊高級スポーツカーメーカーのランボルギーニ(Automobili Lamborghini)と提携し、ランボルギーニの車両をデジタルアセットとして売買および所有できるゲーム体験プラットフォーム「ファストフォーワールド(Fast ForWorld)」の立ち上げを10月2日発表した

    【10/3話題】Aptos Labsがハッシュパレット買収、OKJはPLTのAPTに引換え全面サポート、メタプラネットがBTCプット売りなど(音声ニュース)

    Aptos Labsがハッシュパレット買収、PLTはAPTに引き換えでELFはアプトス上に移行、OKJがパレットトークン(PLT)のアプトス(APT)引き換え全面サポート、ビットフライヤーは取扱い継続不可のリスク報告、メタプラネットがビットコインのプットオプション売却、プレミアム収入で23.97BTC獲得、米SEC、リップル裁判で控訴。最高裁判例や証券取引法に抵触を理由に、ビットワイズ、米SECに「XRP現物ETF」のS1申請書を提出、FTXが55億円相当の「ワールドコイン(WLD)」を割引価格で売却へ、債権者への資金返済で=報道、SBI VCトレードにニアー(NEAR)上場へ、国内3例目、ステーキングも対応、スイ(SUI)、トークンブリッジ機能「Sui Bridge」のメインネット稼働開始

    クリスティーズ、アート作品130点以上にデジタル所有証明書発行、Base採用で

    大手アートオークションハウスのクリスティーズ(Christie’s)が、イーサリアム(Ethereum)レイヤー2ブロックチェーン「ベース(Base)」上で、アート作品に対するデジタル所有証明書を発行する。この証明書の発行をする 「ベース」基盤の暗号資産ウォレット「クレサス(Kresus)」が10月3日発表した

    OKJがパレットトークン(PLT)のアプトス(APT)引き換え全面サポート、ビットフライヤーは取扱い継続不可のリスク報告

    アプトスラボ(Aptos Labs)のハッシュパレット(HashPalette)買収による「パレットトークン(PLT)」の「アプトス(APT)」への引き換え発表を受け、国内暗号資産(仮想通貨)取引所OKJ(オーケージェー)が「全面的なサポート」をすると10月3日発表した