eToro、SPACでのナスダック上場を取り下げ

イートロがSPAC上場を取り下げ

投資プラットフォームのイートロ(eToro)が、SPAC(特別買収目的会社)との合併による米ナスダックへの上場計画を取りやめたことが分かった。

イートロは7月5日、米SPACのフィンテック・アクイジション・コープV(FinTech Acquisition Corp. V)との合併契約終了に合意したことを発表した。

イートロとフィンテックVは昨年3月、企業結合契約を締結しナスダックへ上場する予定だった。しかし取引完了の期日だった今年6月30日までに取引が間に合わず、合併計画の取り下げに両社は合意したとのことだ。なお合併後のイートロの時価総額は約104億ドル(約1.1兆円)になると見込まれていた。

両社は「期日までの取引完了に関して最善の努力をしたが、合併契約の修正を延長された期間内に、会社の登録届出書に関連する特定の条件を満たすことができなかった」と合併契約終了について説明している。

フィンテックV会長ベッツィ・コーエン(Betsy Cohen)氏は、「イートロが、世界有数のソーシャル投資プラットフォームであり続け、その成長実績と強い勢いは実証済みとし、両社のコントロール外の状況により取引が不可能になった」とコメントしている。

イートロは2007年設立のソーシャルトレーディングプラットフォーム企業だ。他の投資家の投資戦略をそのまま再現するコピートレーディング機能などを特徴としており、現在登録ユーザー数は2,700万人を超えているという。なおイートロは現在日本でサービスの提供をしていない。

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参考:イートロ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/lucky-photographer

この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

「あたらしい経済」編集部
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